検索
ニュース

自作のiOS音楽アプリをAndroid対応させたい…… Googleの「Flutter」を使ってみたら簡単さに驚き古代サンプラーがアプリになるまで(1/3 ページ)

メロトロンアプリのAndroid対応に向け、Google製フレームワーク「Flutter」で開発を始めた製作チーム。マルチプラットフォーム対応ができるうえ、各プラットフォームでレイテンシーも抑えられた。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 アナログのサンプラー、古代のサンプラーなどと表現される「メロトロン」という不思議な魅力を放つ鍵盤楽器があります。メロトロンを「マネ」したiOSアプリ「マネトロン」の開発者である山崎潤一郎がメロトロン愛を炸裂させます。その行く末は……。


 前回の記事「メロトロンアプリ『Manetron』、ついにAndroid対応へ 開発環境は? レイテンシー問題は?」から4カ月近くを経てようやくアプリのリリースにこぎ着けた。

 まず、先行してiPhone/iPad版が10月中旬にApp Storeで「The Manetron」として登場。メロトロン・シミュレーターとしては3代目となる今回は、『金属恵比須』『Damian Hamada's Creatures』『ロマネスコ』といったロックバンドで活躍する宮嶋健一氏が所有するシリアルナンバー419の実際のメロトロン「M400S」からサンプリングした。

photo
入手当初はお世辞にも良い状態とはいえなかったそうだが、宮嶋氏自身で手を入れて安定したコンディンションに調整したという

 搭載する音色は、「Flute」「3violins(Strings)」「Cello」「8-voice Choir」「Brass」という定番に加え、ボーナス的な位置付けで「Bungalow Bill」というレアな音源も加えている。これは、ザ・ビートルズの楽曲「The Continuing Story of Bungalow Bill」のイントロで流れるサンプリング音そのままだ。

 スパニッシュギターをフレーズサンプリングしたものなので、鍵盤をワンタップするだけで、あの名曲のイントロがそのまま鳴り響く。ただ、この一発必殺フレーズには音階という概念が当てはまらないので、一番下の「ソ」から最高音の「ファ」まで白鍵黒鍵を含めどこをタップしても同じ音が出る。

任意の鍵盤をタップするだけでジョン・レノンになれる「Bungalow Bill」プリセット

 実機では、「Bungalow Bill」のテープトラックを選択すると、出音は、最下部の「ソ」にだけ割り当てられて、他の鍵盤を押しても何も音がでないようだ。だが、それを知らないユーザーを「音が出ない!」と路頭に迷わせるわけにいかないので、The Manetronでは全ての鍵盤に同じ音を割り当てた。

 iPhone版は1段鍵盤なので無理だが、2段鍵盤のiPadの場合、上鍵盤と下鍵盤で異なる音色を割り当てられる。出音をステレオスピーカーの左右に割り振るパンポットツマミを鍵盤ごとに搭載したので、iPad裏の左右のスピーカーそれぞれから異なるプリセット音を出すこともでき、メロトロン2台のアンサンブルも可能だ。

上段にフルート、下段にブラスの音色を割り当てて、The Beatlesの「Strawberry Fields Forever」を弾いてみた。M400Sの実機では不可能な技
       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る