Adobe、アドビストックでAI生成画像受け入れのガイドラインを策定
Adobeはストック画像サービス「Adobe Stock」で画像生成AIで作成したコンテンツを受け入れると発表した。細かいガイドラインを厳守すればAI生成画像を登録可能だ。「最高のコンテンツを作成するには、使うツールに関係なく、専門知識、センス、想像力が必要」としている。
米Adobeは12月5日(現地時間)、ストック画像サービス「Adobe Stock」で画像生成AIで作成したコンテンツを受け入れると発表した。6日にはAdobe Stockコントリビューター向けガイドの英語版を更新した。
「Adobeにはクリエイターと提携してきた40年の歴史がある。Adobe Stockでは、画像生成AIがもたらすクリエイティブな進化をナビゲートする際に、ユーザーとともにあることを約束する」(ユーザーガイドより)
ガイドラインによると、画像生成AIで生成した画像(以下、AI生成画像)を寄稿するにはAIツールの利用規約を厳守する必要がある。また、問題があると認識されているAIツールの使用と、実在の場所や特定可能なキャラクターやロゴ、著名人と分かるものを描いた作品寄稿は禁止される。
AI生成画像は「イラスト」として提出する(写真のように見える作品でも)。コンテンツのタイトルには「Generative」と「AI」というキーワードを含める。さらに、AI生成画像であることを明記する。
ガイドラインでは、この他にもかなり細かい「していいこと」と「してはいけないこと」を説明している。
「最高のコンテンツを作成するには、使うツールに関係なく、専門知識、センス、想像力が必要」であり、「画像生成AIツールが思慮深く善意で使われれば、創造的な方法で新たなストーリーを使えることができる」とAdobeは主張する。
他のストックコンテンツ提供サービスとしては、Getty Imagesは権利上の懸念からAI生成画像は禁止している。ShutterstockはAI生成画像の提供には踏み切っていないものの、テキストから画像を生成するAIサービスを開始した。
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