インボイス管理の「Bill One」好調 中堅・大企業フォーカスでARRが3.3倍の21億円超え
インボイス管理サービスの「Bill One」が好調。第2四半期の売上高は4億9600万円。ARRは前年同期の3.3倍となる21億2400万円となった。
Sansanは1月13日、2023年5月期第2四半期の決算を発表した。第2四半期までの半期合計で、売上高は23.5%増加して118億2400万円となった。営業利益に、株式報酬関連費用とのれんおよび無形固定資産の償却費を足した調整後営業利益は、前年の8億9000万円の赤字から6億5000万円の黒字となった。
好調な伸びを示したのが、インボイス管理サービスの「Bill One」だ。20年5月のサービス開始以来、売上高が拡大し、第2四半期の売上高は4億9600万円。ARR(年間経常収益)は前年同期の3.3倍となる21億2400万円となった。
「B2BのSaaSの中でも最速ペースだ」とSansanの橋本宗之CFOは、Bill Oneの伸びを評する。
Bill One成長のエンジンは、中堅および大企業だ。企業向け名刺管理サービスである「Sansan」の顧客基盤や認知度がBill Oneの顧客獲得に貢献している。収益の75%は中堅・大企業からとなっており、今後もこの領域の開拓を目指す。
22年末に政府が出した税制改正大綱では、インボイス制度に関する調整も盛り込まれたが、「インボイス制度の課題観が生じているのは中小企業向けだ。中堅・大企業をメインターゲットとしている我々としては大きな影響はない」(橋本CFO)とした。
22年11月末時点の有料契約社数は1138社。社数は前年同期から2.5倍となり、1社あたり売上高も20.2%増加して月額15万5000円となった。
23年5月期末のBill OneのARRは、当初前年ARRである14億円の2倍を目標としていたが、これを上方修正し30億円とする。
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