ソニーG社長交代は“交代というより強化” 吉田・十時2トップ体制の狙い
ソニーグループの副社長兼CFOを務める十時裕樹氏が、4月1日付で社長兼COOに就任する。現社長兼CEOの吉田憲一郎氏は会長兼CEOとして残留し、“吉田・十時2トップ体制”ともいえる経営体制になる。
ソニーグループの取締役代表執行役副社長兼CFO(最高財務責任者)を務める十時裕樹氏が、4月1日付で取締役代表執行役社長COO(最高執行責任者)兼CFOに就任する。現社長兼CEOの吉田憲一郎氏は取締役代表執行役会長CEOとして残留。これによりソニーGは“吉田・十時2トップ体制”ともいえる経営体制になる。社長の交代というよりは十時氏の経験を投入することで経営を強化するのが目的だ。
十時氏は今後の経営方針として中期計画の着実な実行とさらなる成長を掲げ、「基本的には今の事業をそれぞれ強くしていく方向で考えている」との考えを示した。成長が滞ると悪循環に陥るため「成長にこだわる」(十時氏)としている。
2月2日の会見では記者から2トップ体制にする必要性があるのかとの質問もあった。吉田社長はCEOのままとどまり、経営の指揮を取る。そこに十時氏をCOOとして投入することで「キャピタルアロケーション(資本配分)、事業間連携および事業ポートフォリオマネジメントを着実に実行する」(吉田社長)という。
吉田社長によると、今回の人事決定に当たり重視したのは、同社が抱える複数の事業の業務に対する深い理解の有無だという。十時氏に白羽の矢が立ったのは、グループ内で起業やCEO業務に携わってきた幅広い経験が理由だった。
十時氏はこれまでに、ソニー銀行の立ち上げを主導した他、ソニーモバイルのCEOを務めた。ソニーGのCFOになって以降は音楽出版社の買収や半導体事業の事業環境分析などにも携わるなど、さまざまな分野で仕事をしてきたという。
「十時とは2005年から一緒に仕事をしてきている。企業価値向上に向けてより大きな貢献をしてくれると確信している」(吉田社長)
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