自撮りでアート検索 自分に似た作品はヒットする? Google製アプリを遊んでみた ペット版も:遊んで学べる「Experiments with Google」(第30回)(2/2 ページ)
自撮り画像から、自分に似たアート作品を探せるアプリ「Art Selfie」で遊んだ。帽子やサングラスでAIを悩ませてみると……? ペット版でネコも検索してみた。
ペットに似た芸術作品を探せる「Pet Portraits」
続いて、Art Selfieのペット版といえるPet Portraitsで遊ぶ。
ネコの検索結果は納得のいくもので、さまざまなスタイルの作品と出会えた。もっとも、似ているかどうかの判定にネコの姿勢や模様は関係ないらしい。丸まって寝ている、いわゆる「アンモニャイト」状態のネコで検索しても、最初と同じ結果になってしまった。恐らく、ネコかどうかが主要な判断基準なのだろう。
カメとイヌもうまく検索できた。カメは甲羅が特徴的だし、イヌは定番ペットなので学習に使えるデータも多かった可能性がある。
定番ペット以外は弱い?
あまりペットにしない動物はどうだろう。ウマとウシ、シマウマで試してみた。いずれも、どういうわけか恐竜の骨格標本ばかりになってしまった。学習データが不十分な対象物だと認識がうまくできず、このような結果になったのかもしれない。
最後に、Pet Portraitsでも「叫び」を検索したところ、Art Selfieと違って諦めずに結果を出してきた。この動作の違いは面白い。
芸術に親しむ 遊びながらAIに関心を持てるコンテンツ
Art SelfieとPet Portraitsは、Googleが芸術に親しんでもらおうと開発したアプリサービスだ。
どちらも写真と似ている芸術作品を探す、という基本的な機能は変わらない。しかし、Art Selfieは検索結果を出さないことがあるのに対し、Pet Portraitsは似ていなくても結果を出すといったように設計思想が異なる。また、Art Selfieは顔の向きが異なる作品もヒットし、Pet Portraitsはネコかどうかで判断するなど、AIモデルを作る際の学習方法や学習データも違うようだ。
遊びながら芸術について学べるだけでなく、AIへの関心も高められる。しかも、Googleの他のツールと同じく誰でも楽しめるコンテンツになった。
なお、Google Arts & Cultureアプリには、自分の顔を有名アート作品に変えてリアルタイムに動かせる「Art Filter」、有名作品をARで部屋に飾れる「Art Projector」など、最新技術を使った楽しいコンテンツがほかにもある。またの機会にぜひ紹介しよう。
関連記事
- Webブラウザで影絵遊び AIとカメラで手の形を認識、影が動物に変身――お題コンプリートは難易度高し
Googleが公開している最新技術のショーケース「Experiments with Google」を試す連載。今回はPCやスマホで試せる影絵遊び「Shadow Art」を体験して、AIの活用方法や魅力を紹介する。干支をモチーフにした影絵あそびは意外と難しかった。 - 絵巻物のモチーフをAIで判別 木、橋、動物――作品の共通点に注目する新たな鑑賞スタイルを体験
AIを活用して新たな美術鑑賞スタイルを提示するWebアプリ「Beyond Scrolls & Screens」を体験した。絵巻物や屏風に描かれたモチーフをAIで判定し、「木」「動物」など各作品の共通点に注目して鑑賞できる。 - “ふくよかキャラ”を引っ張り奏でるオペラAI「Blob Opera」 美しい音色の裏に、開発者の試行錯誤あり
画面に映る“ふくよかキャラ”を引っ張って美しい音色を奏でるオペラAI「Blob Opera」で遊んだ。愛嬌ある姿ときれいな歌声にウットリしてしまう。開発には、職人技的なパラメータ調整が必要だった。 - BTSゆかりの9都市をアートで“デコる” Googleとのコラボで、メンバーが伝えたいメッセージとは?
BTSとGoogleがコラボしたWebアプリ「BTS x Street Galleries」を紹介する。BTSの写真やアート作品をストリートビューに貼り付けて、街中を展覧会の会場にできるコンテンツだ。実際に遊びながら魅力を伝えていく。 - Googleの新感覚パズル、絵画を並べるクロスワードに挑戦 ゴッホとゴーギャンの交差点って?
クロスワードといえば文字を並べるゲームだが、「Visual Crosswords」は絵画を並べる新感覚パズルだ。例えば、ゴッホとゴーギャンの交差点を埋めるには何が適切だろうか。挑戦してみた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.