遊んで学べる「Experiments with Google」(第12回)
BTSゆかりの9都市をアートで“デコる” Googleとのコラボで、メンバーが伝えたいメッセージとは?
「Experiments with Google」は、Googleが人工知能(AI)や拡張現実(AR)といった最新技術の可能性を示すために、実験的な応用例を紹介するショーケースだ。膨大なコンテンツを公開しており、その多くはスマートフォンやPCで試せる。
この連載では、多種多様な応用例の中から興味深いものをピックアップ。実際に遊んだ体験レポートを通して、裏側にあるテクノロジーや、技術の活用方法とその目的を解説する。
読者の皆さんも、ぜひ自分の手で試しながらその仕組みを学んでもらえたらうれしい。きっと、最新技術の魅力に気付くはずだ。
BTSとGoogleがコラボした「BTS x Street Galleries」
連載12回目の今回は、大人気のダンスポップグループ「BTS」とGoogleのアート紹介プロジェクト「Google Arts & Culture」がコラボレーションした、「BTS x Street Galleries」を紹介する。
BTSは韓国発の男性7人グループだ。世界中に「ARMY」(アーミー)と呼ばれる大勢のファンがいて、「防弾少年団」という名前でも有名だ。グラミー賞にノミネートされたこともあり、その実力はお墨付きだ。また国連総会のSDGs関連イベントに登壇するなど、若者への社会的な強い影響力も評価されている。
ところが、人気絶頂だったBTSはメンバーそれぞれのソロ活動に軸足を移すと、6月に発表した。この動きは一時的なもののようだが、突然の発表だっただけにファンの間には衝撃が走った。
そんな発表があった後、7月9日に登場したのが今回取り上げるBTS x Street Galleriesだ。一体どのようなものだろうか。
街中にBTSの写真やアートを貼り付けて、展覧会の会場にできる!
BTS x Street Galleriesは、Googleストリートビューの画像に、BTSの写真やアート作品を自由に貼り付けられるWebアプリだ。つまり、街中をBTSの写真やアートで埋め尽くして展覧会の会場にできてしまう。
そんな夢みたいなことを、Webブラウザだけで誰でも実現できる。簡単なので、早速専用ページにアクセスして試してみよう。
なお画像を貼り付けられる地点は、ストリートビューから自由に選べるわけではない。BTSゆかりの地から選ぶ形式だ。選べる都市はニューヨークの国連本部ビルや、ライブを行ったロサンゼルス、誕生の地ソウルなど全部で9都市ある。
BTSメンバーが思い出の都市を紹介する
BTS x Street Galleriesには、各地をBTSのメンバーが紹介してくれるコンテンツがある。各メンバーはその都市の思い出を、文章と写真、そしてGoogle Arts & Cultureから選んだアート作品で表現している。特にアートの画像はビルの壁面に貼り付けたような表示で、BTSが都市を舞台に展覧会をキュレーションしているみたいだ。
ストリートビュー内の画像をクリックすると、メンバーからのメッセージやアート作品を選ぶ際に込めた願いを知れる。そこからGoogle Arts & Cultureの作品ページに移動して、各作品の解説や収蔵している美術館について学ぶことも可能だ。
渋谷のスクランブル交差点をアートでジャックする
BTS x Street Galleriesの楽しみ方は、見るだけではない。9都市から好きな場所を選び、自分でBTSやアート作品の画像を貼り付けられるのだ。ニューヨークのタイムズスクエアなど、広告で埋め尽くされた街の景色を一変させるといった遊び方もできる。
9都市の中には東京も含まれていたので、この記事では東京を選んで進めてみる。都市によっては複数の地点から好きな場所を選べるのだが、東京は渋谷のスクランブル交差点しか選べなかった。
スクランブル交差点を選ぶと、日本人にはおなじみの風景が画面の右側に現れる。そして画面の中央には貼り付けられる画像の一覧が出てくる。左側のメニューで操作すれば画像の種類をBTSの写真だけにすることもできる。
東京が舞台なので、日本の雰囲気がある絵から選んでみた。例えば葛飾北斎の「冨嶽三十六景 江都駿河町三井見世略図」だ。
画面中央の画像一覧から画像を選ぶと、渋谷の街に北斎の絵が浮かび上がる。画像の四隅をマウスでドラッグすればサイズを変えられるので、好きなビルの壁面に合わせて貼り付けられる。横断歩道に貼り付けても面白かった。
画像を貼り付けた状態でストリートビューの向きを変えると、貼り付けた画像も視点の動きに対応するので、現実世界の街中に貼り付けているように見える。
ジャックした街をシェアして自慢しよう!
上手に街を飾れたら、友達に自慢したくなる。画面左下の「ギャラリーを共有」からシェアして、アクセス用のURLを伝えよう。これをWebブラウザで開くと、画像で一杯になった街の景色を眺められる。
今回筆者が飾った渋谷の街は、ここからアクセスできる。自分の好きなアート作品を紹介したり、BTSの魅力を伝えたりと好きなように活用できる。
BTSが伝え続けた「愛」をアートとテクノロジーで表現する
BTS x Street Galleriesは、BTSとGoogle Arts & Culture Labが共同で制作したコンテンツだ。BTSのファンクラブ名が「ARMY」に決まった日を記念して、7月9日に公開した。
制作した目的は、BTSが伝え続けている「愛」「他者を受け入れること」「希望を抱くこと」といったポジティブな思いをアートとテクノロジーで表現することだ。確かに、7人のメンバーが選んだ作品と添えられた言葉を一つ一つ見ていくと、前向きなメッセージが並んでいると分かる。特に地球規模で将来が不安定化したり国際情勢が不透明になったりしている現在は、平和を愛するメンバーの気持ちをより強く感じられる。
ファンのARMYたちがBTSの画像を並べてSNSなどでシェアすれば、BTSの強力なプロモーションツールとして機能する。同時に、純粋にアートで飾るという行為を楽しむツールでもある。ユーザーが自分の思い出をアート作品に込めたギャラリーにまとめ、新しい視点で街とアートをキュレーションする、といった使い方もできる。
既存の画像に別の画像を貼り付けてコラージュするという、技術的な難易度は決して高くないコンテンツだが、使い方によっては新たな可能性が広がる。そうしたことを、BTS x Street Galleriesは教えてくれた。
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遊んで学べる「Experiments with Google」
AIやVRなど最新技術の実験的な応用例を紹介するGoogleのショーケース「Experiments with Google」を実際に試して遊んでレポートする。専門知識がない人でも楽しくIT技術の魅力に気付き、その可能性を学んでいけるようキュレーションする。
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