この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「GitHubユーザーが1億人に到達。約16年でソースコード管理の事実上の標準に」(2023年2月6日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
米GitHubは1月25日付けでユーザーが1億人に到達したことを発表しました。
GitHubによると、最初にコードがコミットされたのは2007年10月とのこと。2019年に同社が開催したイベント「GitHub Universe 2019」では、当時のCEO Nat Friedman氏が2025年までに1億人を達成すると予測していました。現実にはそれよりも2年早く達成したことになります。
下図はGitHubのブログ「100 million developers and counting」から。
ユーザー数が加速度的に増加している様子が分かります。
GitHubによると、現在最もユーザー数が急成長しているのがインドで、1000万人以上が利用中とのことです。
設計図共有サイトからソフトウェア開発の中心へ
GitHubは、Linuxの生みの親であるリーナス・トーバルズ氏が開発した分散型バージョン管理システム「Git」のホスティングサービスとして始まりました。
現在でこそGitとGitHubはソースコードのバージョン管理システムの事実上の標準といえる存在となりましたが、GitHubの存在がGit普及における大きな役割を担ったことは間違いないでしょう。
先日、GitHubがSubversionのサポートを2024年で終了すると発表しました。この発表の中で、Subversionのサポートを開始した2010年当時は「分散バージョン管理がいつか主流になれるのかどうか、まだ分からず、Gitが支配的なシステムになるかどうかはさらに不透明」だったと吐露しています。
参考:GitHubがSubversionのサポート終了を発表、2024年1月8日まで。その後は全面的にGitに注力予定
2018年に米MicrosoftがGitHubの買収を発表したときには、日本経済新聞が記事の見出しで「設計図共有サイト」とGitHubのことを紹介して話題になりました。
現在のGitHubは単にソフトウェアのソースコードを管理し共有するだけでなく、ソフトウェアの問題や機能を議論するコミュニケーションの場としての機能や、ソフトウェアのビルドやテストといったツールチェーンのハブとなる機能、GitHub上でそれらの実行を行う機能、そして最近ではAIを用いてコードを自動生成する機能などが追加されています。
既存のさまざまな製品がソフトウェアによって革新されようとしている現在、GitHubはソフトウェア開発の中心的な役割を担うまでの存在に進化しているといってよく、それがユーザーの急成長につながっていると思われます。
と同時に、そうした急成長の下支えとなったのはMicrosoftが買収したことによるインフラの充実や経営支援などでしょう。GitHubの急成長は、Microsoftによるこれまでの企業買収の中でも最も成功した例を示すものでもあるといえそうです。
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