さらば「EOS Kiss」 登場から30年でブランド終息へ 後継モデル「R50」登場
キヤノンは、同社のエントリー向け一眼カメラ「EOS Kiss」シリーズのコンセプトを継承したAPS-Cミラーレス「EOS R50」を発表した。Kissの名前はないが、エントリー層をカバーしつつ、より広くミラーレスの魅力を伝えるモデルとして展開する。
キヤノンは2月8日、同社のエントリー向け一眼カメラ「EOS Kiss」シリーズのコンセプトを継承したAPS-Cミラーレス「EOS R50」を発表した。価格はボディが11万1100円、標準ズームキットは12万6500円。ダブルズームキットは15万6200円。3月下旬発売を予定する。
R50は、同社の「EOS Kiss」シリーズのコンセプト「簡単・きれい・コンパクト」を継承しつつ、EOS Rシステムで高画質化を図ったモデル。ただし、Kissの名前は冠されておらず、同ブランドの現行モデル「EOS Kiss M2」の直接的な後継機ではないという。とはいえ、Kissがターゲットにしていたエントリー層をカバーしつつ、より広くミラーレスの魅力を伝えるモデルとして展開する。
センサーは2420万画素のAPS-Cサイズ。映像エンジンは「DIGIC X」を採用する。最高ISO3万2000の常用感度が利用できる他、「デュアルピクセル CMOS AF II」による高速AF、ディープラーニングを活用した「EOS iTR AF X」による高精度な被写体検出に対応する。連写も電子シャッターで毎秒15コマでの撮影が可能だ。
Vlogやライブ配信ニーズに応える機能も用意されている。クロップなしの6K動画からオーバーサンプリングした4K/30p録画、1080p/120pのハイフレームレート撮影の他、手ブレ補正はレンズ内手ブレ補正と電子手ブレ補正の協調動作に対応。手持ち撮影時のブレを軽減する。UVC/UACをサポートしており、PCとUSBケーブルと接続すればWebカメラとして利用できる。スマホとWi-Fi/Bluetoothに加え、USBケーブルでの有線接続も可能だ。
また、VlogやYouTube用の動画を撮影する際に、顔から商品を持った手元にピントを合わせる「レビュー用動画」モード、アクションカムのように水平の傾きを自動で補正しながら録画する「自動水平補正」を搭載。静止画を撮影すると同時に、撮影直前の約2〜4秒を動画として記録し、1日をまとめたダイジェスト動画として記録する「プラスムービーオート」も利用できる。
ボディはブラック(約375g)とホワイト(約376g)の2種類。EOS Rシリーズ最小・最軽量としている。3.0インチのバリアングル液晶を備え、USB-C端子での充電にも対応する。
「EOS R50」以降Kissブランドは終息へ
なお、Kissシリーズは今年で30周年という節目だが、先述の通りR50はエントリーモデルながら「Kiss」シリーズではない。キヤノンマーケティングジャパンによると、時代の変遷とともにカメラのニーズも多様化し、これまでのKissユーザーよりも広い層にミラーレス一眼の魅力を伝えるため、Kissブランドではなくグローバルで使用しているモデル名に統合したという。
Kissはもともと国内で使われていたブランド名で、例えばEOS Kiss M2の海外名は「EOS M50 Mark II」となっていた。
ただし、EOS Kiss M2以外にも、「EOS Kiss X10/X10i」など一眼レフ含めEOS Kissシリーズは現在も販売されているため、Kissのブランドがすぐに消える訳ではないとしている。とはいえ、EOS Rシリーズではエントリーモデルも海外と同じナンバリングで訴求していくことになるようだ。
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