中高教員に聞く、校務システムに感じる課題 「使いこなせない」が4割超
中学校・高校の教員が校務システムに感じる課題は──校務システムのベンダーがこんな調査結果を発表。最も多い課題は「使いこなすのが難しい」だった。
中学校・高校の教員が校務システムに感じる課題は──校務システムを提供するシステックITソリューション(岡山県津山市)は2月16日、こんな調査結果を発表した。複数回答で聞いたところ、最も多い課題は「使いこなすのが難しい」(45.9%)だった。
2番目は「使いたい機能がそろっていない」(31.2%)、3番目は「年度初めの設定に時間がかかる」(28.7%)、4番目は「ランニングコストが高額」(24.4%)、5番目は「欲しい機能が追加してもらえない」(22.2%)だった。
逆に、校務システムの導入で良くなったと感じた点を複数回答で聞いたところ、最も多いのは「作業時間が減った」(51.6%)だった。次に多かったのは「アナログ作業が減った」(40.3%)、3番目は「作業量が減った」(39.1%)。他にも「データ共有がしやすくなかった」(30.9%)などの声があった。
一方で、新たな校務システム導入の検討状況を聞いたところ、36.1%が「検討している」、57.7%は「よいものがあれば検討したい」と答えた。
新たな校務システムに求めるポイントは、「学校の仕様に合わせたシステムを作ってもらえる」(35.1%)がトップに。2番目は「運用が変わったときにも迅速にカスタマイズしてもらえる」(20.5%)、3番目は「低コスト」(19.2%)だった。他にも「操作が簡単(11.9%)、「サポート体制が万全で対応が早い」(6.1%)などの声があった。
調査は1月17日から18日にかけて実施。校務システムを導入している全国の中学校・高校教員1003人にインターネットでアンケートを取った。
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