AIで好きなポーズを出すために、モデルを10万枚撮影して手動でタグ付けしてみた:清水亮の「世界を変えるAI」(1/4 ページ)
最初にAIで漫画を描くときのハードルは、「同じキャラクターが出せない」というものだったが、これはDreambooth(Memeplexではカスタムモデル学習)を使うことで解決できた。次のハードルは、「欲しいポーズが出せない」というものである。
この連載でChatGPTとMemeplexを組み合わせて書いた漫画「宇宙の探偵 五反田三郎」が、そのあまりの下手くそさの割に話題を呼んでいる。
NHKの取材も来たし、週末だけ浅草橋の駅前で開店している「技研バー」では毎回その話題になる。
ごく一部で注目されていて、まあもともとが下手すぎる漫画なのでまじめに読んでもらっても困るのだが、つい先日、あの「宇宙兄弟」のプロデューサーである佐渡島庸平さんともお話しする機会を賜り、個人的にはずっと俺得という状況が続いていた。
AIの課題「欲しいポーズが出せない」
最初にAIで漫画を描くときのハードルは、「同じキャラクターが出せない」というものだったが、これはDreamBooth(Memeplexではカスタムモデル学習)を使うことで解決できた。
次のハードルは、「欲しいポーズが出せない」というものである。
また一方で、誰かが描いたイラストをAIに下書きとして渡して、顔や服だけを差し替えて「自分の作品」にしてしまう、いわゆる「AIトレパク」が問題になった。これは、下絵がイラストではなくて写真であっても同じだろう。
そこで筆者は考えた。今後、AIで漫画を描くというカルチャーが普及することになったら、必ずこの問題に誰もがぶち当たるだろうと。
さらには、そもそもAI自身がアクションシーンを「見慣れていない」から起きる問題でもある。例えば「キックしているポーズが欲しい」といっても、「キックしてるポーズ」がすっと頭に浮かぶのは普段からアニメとか漫画とかを見ている日本人だからだ。海外の映画でも「キックをしている瞬間」は一瞬なので、「描け」と言ってもAIは描けない。
知り合いのいろんな芸能関係者に「こういうことに理解のある役者さんとかいませんかね」と相談すると、皆同じことを言う。
「いや、そもそも彼らはそれで食ってるわけだから、本人がいいって言っても事務所がOKを出さないよ」
なるほど。ならば自分でやりましょう。
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