コマンドは「ビリーは円です」 子供向けプログラミング言語「Billy」でできること:遊んで学べる「Experiments with Google」(第33回)(1/2 ページ)
使う子供向けプログラミング言語「Billy」を使ってみた。コマンドは「ビリーは円です」。図形に名前を付けて、色やサイズを変えられる。制約は多いがプログラミングの初歩を学べる。
「Experiments with Google」は、GoogleがAIやARといった最新技術の可能性を示すために、実験的な応用例を紹介するショーケースだ。膨大なコンテンツを公開しており、その多くはスマートフォンやPCで試せる。
この連載では、多種多様な応用例の中から興味深いものをピックアップ。実際に遊んだ体験レポートを通して、裏側にあるテクノロジーや、技術の活用方法とその目的を解説する。
読者の皆さんも、ぜひ自分の手で試しながらその仕組みを学んでもらえたらうれしい。きっと、最新技術の魅力に気付くはずだ。
子供向けプログラミング言語 コマンドは「ビリーは円です」
連載33回目の今回は、初歩のプログラミングを「Billy」で体験してみる。
Billyは、視覚的に分かりやすい子供向けのプログラミング言語だ。Webページ上でプログラミングコードを記述可能で、円や四角などの基本的な図形を描いたり、その大きさや色を変えたりできる。コマンドを入力するとその場ですぐ実行されるインタープリタ方式なので、手軽に試せるし操作が分かりやすい。
複雑な条件判断やループを行う機能はないが、逆にとてもシンプルなのでプログラミングを初めて経験する子供にピッタリだろう。ちなみに、作者のSimon Last氏はエンジニア兼デザイナーで、情報共有ツール「Notion」の開発に携わっているそうだ。
BillyのWebアプリを起動すると、懐かしいプログラミング言語「BASIC」の入力画面とよく似たコマンドプロンプトが表れる。ここに1行入力する度に、その実行結果が下のエリアに反映される仕組みだ。
起動画面に「迷ったら『help』と入力して」とある。どのような入力すればいいか分からなければ「help」と入れてみよう。コマンドの例を教えてもらえる。試しにやってみたところ、「try 'billy is a circle'」(「ビリーは円です」と入力してみよう)というアドバイスをもらえた。
つまり「◯◯さんは☆☆形」というコマンド形式のようだ。そこで少し変えて、筆者の名前をもじって「nobu is a ellipse」と打つと、きちんと楕円を描けた。
どのようなコマンドがある? GitHubの解説を読む
helpに従えばある程度の操作をできるが、どのようなコマンドが用意されているのか事前に全体像を把握しておきたい。ありがたいことに解説がGitHubで公開されていた。
それによると、描画する円や四角といった図形オブジェクトは「character」(キャラクター)と呼ばれていて、好きな名前を付けられる。図形の形は「circle」(円)や「ellipse」(楕円)、「square」(正方形)、「triangle」(三角)などを指定できる。billyというキャラクター名で円を描くなら「billy is a circle」になるというわけだ。
キャラクターの位置を変えたい場合は「move」コマンドを使う。例えば「move billy left 100」でbillyを左に100動かせる。キャラクターの大きさや色は、コマンドで変更できる。billyを赤くしたければ「billy's red is 250」などと入力する。なお、入力時に「's」は省略しても問題ない。
具体的なコマンドを特定のキーに割り当てることも可能だ。「when i press q move billy right 50」(Qキーを押したらビリーを右に50動かす)と入力すれば、「Q」を押すたびbillyが右へ50移動する。自分なりに応用して「when i press l move billy left 50」としたところ、「L」を押すと左へ移動するように設定できた。
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