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初の国産量子コンピュータ、クラウドサービスとして提供 オンラインで64量子ビット計算機を活用可能に
理化学研究所が初の国産量子コンピュータを使った「量子計算クラウドサービス」の提供を始める。非商用利用であれば、クラウド経由で64量子ビットの超電導式量子コンピュータを使える。
理化学研究所(理研)は3月24日、初の国産量子コンピュータを使った「量子計算クラウドサービス」の提供を27日に始めると発表した。非商用利用であれば、クラウド経由で64量子ビットの超電導式量子コンピュータを使える。
プロジェクトに参加したのは、理研、産業技術総合研究所、情報通信研究機構、大阪大学、富士通、NTT。超電導式量子コンピュータは、超電導素材で作った電子回路をマイナス273度の超低温まで冷却して量子ビットを実現するもの。当面は理化学研究所と共同研究契約を結んだ研究機関などに向けてのみ提供する。利用料は無料。
理研は「量子ソフトウェア開発者や量子計算研究者および企業開発者との協力を深めることで、量子コンピュータ研究開発を一層加速する」としている。
今後は100量子ビット、1000量子ビットと量子ビット数の拡大を続け、将来的には100万量子ビット級の集積化技術の開発に向けて研究を進める。
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