文化庁、約5万本の映画情報を集めた「日本映画情報システム」を閉鎖 一体なぜ? 理由を聞いた
5万本近い映画の情報を集積しているデータベースサイト「日本映画情報システム」が3月31日に公開を終了していた。文化庁に理由を聞いた
約5万本の映画情報を集めたデータベースサイト「日本映画情報システム」が3月31日に公開を終了していたことが分かった。4月7日時点でWebサイトを開くと、すでに運用を停止したという案内文が表示される。
日本映画情報システムは、1896年以降に公開された日本映画作品4万8973件の情報を掲載しているWebサイト。作品名や監督名などで検索すれば、公開日や出演者、制作会社、上映時間、あらすじなどを確認できる。文化庁が2006年から公開してきたが、23年3月31日で閉鎖となった。
7日時点でWebサイトを開くと「2023年3月31日をもちまして、日本映画情報システムの運用を停止しました」という文章が表示され、データベースにはアクセスできない。代替え先として、企業・団体が運営する映画情報のデータベースサイトのリンクを文化庁に掲載していると案内しており、文化庁の公式Webサイトへのリンクが設置されている。
なぜデータベースを閉鎖することにしたのか。文化庁映画振興係に聞くと「サイト公開当時と比べると、民間でも似たようなサイトが出てきているため、いったん終了とした」と説明する。
文化庁のWebサイトには、「日本映画情報システムの閉鎖に伴い、映画情報に関するデータベースサイトのリンク先を掲載する」とするページが存在するが、4月7日午後5時の時点でも新ページは準備中のままコンテンツの公開はない。映画振興係は、同ページでのコンテンツ公開について「どういった形で何をどれくらい掲載するかは検討中」と説明。公開するかどうかも含めて未定としている。
日本映画情報システムの終了で、同サイトのドメインも放棄するとしている。一定期間は文化庁が保有するがそれ以降は第三者がドメインを取得する可能性があるという。同件について映画振興係は「ドメインの取り扱いについては省庁全体で情報セキュリティ上の取り決めがある。公表はしておらず、回答は差し控える」と答えた。
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