あなたの会社でオープンソース担当部門を立ち上げて機能させるには? GitHubがドキュメント群をオープンソースで公開
GitHubが、オープンソース担当部門「Open Source Program Office」を立ち上げ、機能させる上で必要なツールやドキュメント群「GitHub-OSPO」を公開した。
この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「GitHub、あなたの会社にオープンソース担当部門「Open Source Program Office」を立ち上げて機能させるためのドキュメント群をオープンソースで公開」(2023年4月10日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
ソフトウェアの開発や運用において、さまざまなオープンソースが重要な役割を果たすようになってきており、現在ではオープンソースを抜きにソフトウェア開発や利用を行うことがほとんど困難な時代になってきました。
オープンソースと適切に関わり、活用や推進をしていくことは、ソフトウェアに関わる企業にとって(それ以外の企業にとっても)戦略的に取り組むべき事項になってきているといえます。
そうした中で「Open Source Program Office」(OSPO)と呼ばれる組織への注目が少しずつ高まっています。
一般的にOSPOとは、企業のオープンソース戦略の策定と実行といった大きなものから、社内でのオープンソースに関する啓蒙と推進、ライセンスに関する管理や統制など、企業がオープンソースに関わる際の担当部署といえます。
そのOSPOを立ち上げ、機能させる上で必要なツールやドキュメント群「GitHub-OSPO」を、GitHubが公開しました。
下記はGitHubのブログ「An open source project to empower OSPOs everywhere」からの引用です。
github-ospo is a collection of tools, processes, and best practices that our own OSPO team uses to help us manage our open source initiatives. We are excited to release this project and share it with the wider community to help other organizations navigate the world of open source.
github-ospoは、私たちGitHubのOSPOチームがオープンソースへの取り組みを管理するために使用しているツール、プロセス、ベストプラクティスの集合体です。私たちは、このプロジェクトをリリースし、他の組織がオープンソースの世界をナビゲートするのを助けるために、より広いコミュニティと共有することに興奮しています。
そしてリポジトリには以下のものが含まれていると説明。
- GitHub上の組織のページを、初歩的なものからビジネスにおいて優れた内容にするためのガイド
- 高い品質でオープンソースプロジェクトを利用し、リリースするためのGitHub独自のポリシー
- 私たちが依存しているオープンソースを安定させるため、オープンソースの基盤を特定しサポートするGitHubの戦略
内容は全て英語ですが、これから社内でOSPOを立ち上げようという方々、すでにOSPOを立ち上げて運営している方々のいずれにも、参考になるのではないでしょうか。
OSPOについてはLinux Foundationが公開しているドキュメント「Open Source Program Office (OSPO) の進化 - The Linux Foundation」も参考になるでしょう。こちらは日本語で公開されているので読みやすいはずです。
関連記事
- サービス終了したゲーム「Duelyst」がオープンソース化 イラスト、ソースコードなど全て商用利用OKに
サービスを終了したデジタルカードゲーム「Duelyst」がオープンソース化。今後、同ゲームのソースコードやイラストは、営利・非営利を問わず無料で利用できる。 - 永久凍土下にOSSのソースコードを保存する「Arctic Code Vault」、約1.4トンの保管庫を設置完了 GitHubが報告
米GitHubが、オープンソースのコードをノルウェーにあるスヴァールバル諸島の永久凍土層の地下に1000年以上保存するプロジェクト「Arctic Code Vault」において保管庫の設置が完了したと報告した。保管庫は約1.4トンの鋼鉄製という。 - サイバー攻撃検知のためのオープンソースプロジェクト発足 AWSやゼロトラスト関連企業などがデータ連携効率化
AWSやSplunkなどクラウド・情報セキュリティ分野の18社が、サイバー攻撃を検知するためのオープンソースプロジェクトを共同で立ち上げた。データの取り込みや分析の効率化を目指す。 - AWS、自社製品向けのデザインシステム「Cloudscape」オープンソースで公開 UIコンポーネント、デザインパターンなど
AWSが、同社が提供する製品やサービスのWebアプリケーション画面を構築するために開発したデザインシステム「Cloudscape」をオープンソースで公開。迅速なプロトタイプやWebアプリケーション開発に役立つという。 - Meta、200言語対応のAI翻訳プロジェクト「NLLB-200」をオープンソース化
Metaは、200言語を中間言語なしに翻訳するAIモデル「NLLB-200」をオープンソース化する。FacebookやInstagramでも採用する他、「より多くの人々がメタバースにアクセスできるようになる」としている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.