「テキストで動画編集」、Premiere Proで可能に Adobeの動画ツールに大型アップデート
アドビのビデオツール「Premiere Pro」「After Effects」に大規模アップデートがやってきた。AI技術を使った「文字起こしベースの編集」やGPUアクセラレーションの強化など多岐にわたる。5月から一般提供を開始する。
アドビは4月13日、同社のビデオツール「Premiere Pro」「After Effects」のアップデートを発表した。AI技術を使った「文字起こしベースの編集」やGPUアクセラレーションの強化など多岐にわたる。5月から一般提供を開始する。
Premiere Proに搭載された「文字起こしベースの編集」は、同社のAIプラットフォーム「Adobe Sensei」を活用し、映像をPremiere Proが自動的に分析しテキストを生成。そのテキストをコピーして任意の順番に貼り付けるだけで、編集したいパートがタイムライン上に表示される。文章はトランスクリプトの検索窓から検索するだけで、正確に単語やフレーズを特定できるという。
また、「自動トーンマッピングとLOGカラー検出機能」を搭載。LUT(ルックアップテーブル)を使用したり、手動で映像バランスを調整する手間をなくし、異なるタイプのHDR映像を同じSDRプロジェクトに入れても、一貫したカラーで映像を作ることができるという。
AVCイントラ、ARRIRAW、RED RAW、Sony Venice 2などのプロ用フォーマットに対してGPUアクレラレーションを強化。ビデオスコープ、トランジション、タイトルテンプレートの組み合わせなどで、編集スピードがアップするという。これにより、タイムライン上で8K映像を扱えるようになるとしている。
共同編集機能も強化。閲覧モードを導入し、編集中のシーケンスは他社が変更できないようロックできるようになる他、共有プロジェクトで誰が作業しているかを示すプレゼンスインジケーターを追加。オフライン作業からオンラインに戻った際に、他のエディターの作業を上書きせずに変更箇所を公開できる機能も追加した。
After Effectsでは、新しいプロパティパネルを採用。アニメーション設定に素早くアクセスできる他、選択した内容に応じてもっとも重要なコントロールが自動的に表示され、タイムラインを移動しながら設定を探す時間が削減できるという。また、他のポスプロ用ツールとアセットを共有する際に、一貫したカラーを維持できるよう、新しいACESとOpenColoriOを搭載している。
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