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民間初の月面着陸「達成できないと確定」 アイスペース株はストップ安売り気配
宇宙ベンチャーのispaceは26日、月面着陸は達成できないと確定したと発表した。株式市場ではispace株がストップ安売り気配となっている。
民間初の月面着陸を目指していた宇宙ベンチャーのispace(東京都港区)は4月26日、ランダー(月着陸船)との通信が途絶し、月面着陸は達成できないと確定したと発表した。株式市場ではispace株がストップ安売り気配となっている。
月着陸船は午前1時40分の着陸を目指していたが、直前に通信が途絶。その後の解析で着陸シーケンスの終盤でランダーは月面に対し垂直(着陸態勢)になったことは確認できたものの、その後も着陸を検知するデータは届かなかった。
またランダーの推進燃料の推定残量がなくなり、データ上で急速な降下速度の上昇が確認されたことなどから、ispaceはランダーが月面にハードランディングしたとみている。原因については今後解析を進める。
ispaceの袴田武史社長は「月面着陸は達成できないと確定した」とする一方で「月面に着陸するところまで通信を確立してデータを獲得できているのは非常に大きな達成だと考えている。次のミッション2、3に向けた大きな一歩」と話している。
株式市場では失望売りが広がったと見られ、ispace株はストップ安売り気配に。同社は4月12日に東証グロース市場に新規上場したばかり。公募価格は254円だったが、民間初の月着陸への期待から初日は値が付かず、その後は2100円前後まで急騰していた。
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