民間初の月面着陸、早ければ26日に 「舞台はそろった」とアイスペース
月面探査プログラム「HAKUTO-R」の月着陸船が最短で26日の午前1時40分に月面に着陸する。成功すれば民間初の月着陸となる。
宇宙ベンチャーのispace(東京都中央区)は4月12日、月面探査プログラム「HAKUTO-R」の月着陸船が最短で26日の午前1時40分に月面に着陸すると発表した。成功すれば民間初の月着陸になる。
12日時点で月着陸船は月の上空、高度100kmから2300kmを楕円軌道で周回している。26日の午前0時40分ごろ(日本時間)に高度100kmから降下を始め、姿勢を調整しながら約1時間で月へ軟着陸する予定だ。
着陸時点はバックアップを含め3カ所を想定。地点によって着陸日が異なるため、着陸時間は26日の夜、5月1日、5月3日に変わる可能性がある。
月着陸船にはJAXAやタカラトミーなどが開発した月面探査ロボット「SORA-Q」(ソラキュー)、UAEの月面探査ローバー「Rashid」などを搭載している。着陸後は通信と電力供給を確立し、それぞれの運用能力実証に入る予定だ。
ispaceの袴田武史CEOは「舞台はそろいました。民間企業が新たな月ミッションの時代を築く歴史的な日になるところを自分の目にしっかり焼き付けたいと思います」としている。
HAKUTO-Rの月着陸船は2022年12月に米SpaceXのロケット「Falcon9」で打ち上げ、月を目指してきた。目的は月着陸船の設計および技術、そして月面輸送サービスと月面データサービスというispaceが目指す事業モデルの検証だ。
今回のミッションで得られたデータやノウハウは24年に予定している次のミッションの他、NASAの「アルテミス計画」にも生かすとしている。
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