「PayPay改悪」トレンド入り 他社クレカ締め出しの理由は「総合的に判断した結果」
PayPayが他社クレジットカードの“締め出し”を始める。銀行口座やコンビニATMからのチャージなど旧来からある支払い方法は引き続き利用可能だが、クレジットカードに関していえば、8月1日からPayPayカードが発行するもの以外での支払いができなくなるという。
PayPayが他社クレジットカードの“締め出し”を始める。銀行口座やコンビニATMからのチャージなど旧来からある支払い方法は引き続き使えるが、クレジットカードに関していえば、8月1日からPayPayカードが発行するもの以外は利用できなくなるという。同社によると「社内で協議して総合的に判断した結果」としている。
この発表を受け、TwitterではPayPayに関連するワードがトレンド入り。「PayPayステップ」など還元率が変更されることや、ソフトバンクの携帯料金と合算して支払える「まとめて支払い」にも、2.5%のチャージ手数料が発生するようになる(月1回は無料)との発表があったことから、「PayPay改悪」といった直接的なワードがランクイン。楽天カード以外のクレジットカードでも支払える「楽天ペイ」など、他社のコード決済サービスがトレンド入りする場面もあった。
この他、PayPayが投資回収フェーズに入ったためと分析する声も多い。4月24日には2022年度の連結決済取扱高が7.9兆円に達したと発表しており、PayPayは決済取扱高におけるコード決済の国内シェアで66%を超えたという。コード決済に限ればもはや一強であり、中小・個人店舗などでキャッシュレス決済を利用しようとするとPayPayのみ対応している場面に遭遇する機会も増えた。盤石なユーザー基盤が構築された今、還元や手数料など、収益性を犠牲にしていた部分に手を入れたとする見方もある。
今回、自社のクレジットカードに限定する理由をPayPayに確認したが、「社内で協議して総合的に判断した結果」に回答をとどめた。
同社は「他社のクレジットカードと紐付けて支払う場合、キャンペーンポイントの対象外になったり、銀行口座からのチャージや『PayPayあと払い』と比べて決済できる金額が低かったりする」「もし、クレジットカードを作ることに抵抗があるのであれば、セブン銀行やローソン銀行のATMから現金でチャージしてPayPayをご利用いただく分には(PayPayカードの条件と)何も変わりないし、銀行口座と連携している方でしたら、口座からチャージしてPayPayを使うのも全く変わりはない。それであれば、地方自治体と連携したキャンペーンなどもPayPayポイントの付与の対象にもなるので、よりお得に使っていただけるのではないか」としている。
また、「実際の使われ方など、(他社のクレジットカードで支払いっている)利用者数も含め検討遡上にはあった。(PayPayあと払いや口座連携などは)ユーザーの皆様にとっても便利な方向であり、われわれもビジネスとしてPayPayカードへの連携を進めている最中ですので、ぜひそちらをご検討頂きたい」(同社)とのことだった。なお、今回の変更に他のクレジットカード会社に支払う手数料が関係しているか聞いたものの、PayPay側は明言を避けた。
関連記事
- PayPay、他社クレカでの支払いが不可に 8月1日から
PayPayが、他社のクレジットカードによる支払いを停止する。8月1日以降、クレジットカードでの支払いはPayPayカードが発行したものに限定されるとしている。 - PayPayチャージ、携帯料金合算は手数料2.5%に 月2回目以降 「まとめて支払い」ユーザーに影響
PayPayは、携帯料金と合算してチャージする際の手数料を有料化する。毎月初回のチャージは無料を維持するが、2回目以降は2.5%の手数料が発生する。 - LINEヤフーは合併で何が変わる? PayPay含め、ID連携や横断会員プログラムも
10月1日にLINEヤフーとして再出発するZホールディングス。合併によって何が変わるのか。「基盤、サービス、組織の統合と一本化を強力に推進する」と出澤剛社長は話した。 - PayPayカード、会員数が1000万人超え
PayPayカードは4月25日、3月末時点で「PayPayカード」および「PayPayカードゴールド」の会員数が1000万人を超えたと発表した。前年度末から20.8%増加した。 - PayPay、取扱高が倍増の10兆円に コード決済シェア66%超
PayPayは4月24日、2022年度(22年4月〜23年3月)の連結決済取扱高が10兆円を超えたと発表した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.