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「自分の力不足だった」 バルミューダ寺尾社長が語った「スマホ事業撤退」の理由(1/2 ページ)

バルミューダの携帯端末事業が終了する。寺尾玄社長は、携帯端末事業の終了について「自分たちおよび自分の力不足だった」としつつも「非常に良いチャレンジだった」と振り返る。

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 バルミューダの携帯端末事業が終了すると5月12日に発表があった。同社は、2021年8月に同事業への参入を発表し、11月には第1弾として「BALMUDA Phone」をお披露目した。後継モデルの開発も進んでいたというが、結局世に出ることなく1代限りで幕を閉じることとなった。


バルミューダの寺尾玄社長

 12日の決算会見に登壇した寺尾玄社長は、携帯端末事業の終了について「自分たちおよび自分の力不足だった」としつつも「非常に良いチャレンジだった」と振り返る。

「あんなに努力しても実らないことってあるんだな」

 寺尾氏は「バルミューダを成長させるチャレンジになるという希望を持って飛び込んだ、携帯端末という事業フィールドでした。うまくいくことしか考えていませんでした。しかし、あんなにも努力をして実らないことってあるんだなと、この歳になって改めて勉強させてもらった」「非常に悔しい思いではありますけれども、外的要因もありますが、自分たちおよび自分の力不足だったな、という風に痛感しています」と語る。


「BALMUDA Phone」

 また、スマートフォン開発でのハードルの高さにアプリを挙げる。「やってみなければ分からなかったことですけれども、ソフトウェアのクオリティの作り込みというのが非常に困難でした。この困難を乗り越えるには、時間と根性だけではなくて、 多大な資金が必要でした」「参入して非常に感じたのは、自分たちの規模とスマートフォンというビジネス全体が持っているスケール感の違いで、存分に戦うことができなかったという悔しさは残っています」(寺尾氏)と、新規参入ゆえの課題もあったとする。

 原材料の高騰も撤退を決めた一因になっている。「撤退を決めたのは先月(4月)のことです。去年の段階で、開発していた次期モデルを断念。その後も諦めずに別のモデルの開発をしていましたが、為替の影響が大きくセットできないとなったのが先月のこと。私としてはさすがにタイムアップかなと考えました。正式に決定したのは、本日の取締役会です」「ディスプレイ、カメラ、樹脂パーツ、アルミパーツなど、全部が2、3年前に比べると非常に高くなっています」(寺尾氏)

 なお、初代モデルは京セラとの共同開発だったが、次のモデルは別のメーカーと開発していたという。

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