AIで顔のレタッチが超ラクに 「Adobe Lightroom」新機能を試して分かったこと:小寺信良のIT大作戦(2/4 ページ)
写真や動画の画像処理にAIを活用する取り組みは、早くから行なわれてきた。ただ昨今のチャット系大規模言語モデルや画像生成系の劇的な進化に比べれば、牛の歩みのように見えるかもしれない。だが従来なら自動ではできなかったことが、徐々に可能になってきている。
顔のパーツが簡単にいじれる「アダプティブ:ポートレート」
Lightroomは、いわゆるデジタル写真データの現像処理を行なうツールという認識でいいと思うが、RAWだけではなくすでにJPEG化されたデータでも、明暗色味等が調整できるようになっている。
経験者なら個別のパラメータをいじって追い込んでいくところだが、プロの技を一発で適用できるよう、数多くの「アダプティブプリセット」が用意されている。画面左の「プリセット」を展開すると、多くのプリセットにアクセスできる。
今回の新バージョンでは、アダプティブプリセットの「ポートレート」内に、顔に関するパラメータをいじれるプリセットが追加された。例えば「洗練されたポートレート」を選ぶと、顔の細かいディテールが省略され、いわゆる美肌フィルターをかけたような画像になる。
また顔のパーツごとにディテールを調整できるようになっている。「目を強調」、「ひげを濃くする」、「眉を暗くする」、「質感のある髪」といったプリセットを組み合わせると、補正前に比べてナチュラカルでありながらも「ギン」とした写真になるのがわかる。効果の強さは、上のスライダーで調整できる。
スマートフォンのカメラアプリではもっとガッツリ「盛れる」フィルターがいくらでもあると思うが、わざとらしくない程度に良くするというのはなかなか難しいものだ。他の部分に影響を与えず、顔の一部分のパーツだけを選択できるだけでなく、パラメータ操作もスライダー1本だけなので、あまりデジタル画像に対する知識のない人でも使えるツールに仕上がっている。
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