Googleに挑戦したNeeva、サブスク検索エンジン提供終了へ 企業向けLLMにシフト
元Google幹部が設立したNeevaは、2021年に公開した広告なしの検索エンジンを数週間以内に閉鎖すると発表した。一般ユーザーに検索エンジンを切り替えてもらうのは困難だったとしている。今後は、エンタープライズ向けのLLM技術にシフトする。
米Google出身者が2019年に創業した新興企業Neevaは5月21日(現地時間)、2021年に提供を開始したサブスクリプション制検索エンジン「Neeva」を向こう数週間中に閉鎖すると発表した。
Neevaは、「検索をユーザーの手に取り戻す」という目標の下、広告主ではなくユーザーの利益を優先した、プライバシー重視の広告のない検索エンジンを目指してきた。
元Google幹部で創設者のスリダー・ラマスワミ氏とヴィヴェク・ラグナタン氏は公式ブログで、新規ユーザーの獲得に苦心しており、現在のビジネスモデルを続けることはもはや不可能だと語った。
「無限のリソースを持つ巨大組織とわずか50人のチームで対抗するのは困難だ」と両氏。「一般ユーザーに、使い慣れた検索エンジンから切り替える必要性を説得するのは、本当に困難だった」という。
それでも、2022年初頭にはNeevaにLLMをシームレスに組み込むことに着手し、2023年初頭にはクエリの大部分にリアルタイムのAIによる回答を提供していた。
同社は現在有料サブスクリプションに加入しているユーザーに未使用分を返金し、ユーザーデータを削除する計画だ。
Neevaは今後、エンタープライズ向けサービスにシフトする計画。「過去1年間、LLMを効果的に低コスト、安全かつ責任を持って使う必要性を認識してきた。われわれが小型モデル、サイズの削減、遅延の削減、低コストの導入で開拓してきた技術の多くは企業が必要としているものだ」。
17日には、Neevaが米クラウド大手のSnowflakeと買収の可能性について協議していると報じられている。
関連記事
- 広告ゼロのサブスク型検索エンジン登場 米スタートアップが提供、月4.95ドル
米Neeva社が6月29日(現地時間)、広告が表示されない検索エンジン「Neeva」の提供を始めた。月4.95ドル(約550円)で、PC向けの各種Webブラウザに対応した拡張機能と、ブラウザ機能のあるiOSアプリを提供。 - GPT-4搭載の「新しいBing」、誰でも利用可能に 新機能も多数追加
オープンプレビュー」に移行した。これにより、ウェイティングリストに登録せずに誰でも利用できるようになる。また、画像を交えた回答やチャット履歴の保存、マルチセッションなど多数の新機能を追加する。 - OpenAI、ChatGPTのプラグイン開始 リアルタイム検索やKayakでの旅行検索も可能に
OpenAIはChatGPT向けのプラグインを発表した。Web上の最新情報を追加する自社製プラグインの他、KayakやWolfram、Zapierなどが既にプラグインストアに登録。ChatGPT Plusユーザーと開発者はα版に参加申し込みできる。 - 会話で検索できる「新しいBing」、Microsoftがプレビュー公開 ChatGPT開発元の次世代モデル採用
MicrosoftはOpenAIの言語モデル採用の新モデル「Prometheus」採用のチャットbot付き「新しいBing」を発表した。英語版Bingで限定プレビューを試せる。同時に発表の「新しいEdge」には、AIを使って表示内容を要約したり新たなコンテンツ作成を支援する機能も搭載する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.