会話で検索できる「新しいBing」、Microsoftがプレビュー公開 ChatGPT開発元の次世代モデル採用
MicrosoftはOpenAIの言語モデル採用の新モデル「Prometheus」採用のチャットbot付き「新しいBing」を発表した。英語版Bingで限定プレビューを試せる。同時に発表の「新しいEdge」には、AIを使って表示内容を要約したり新たなコンテンツ作成を支援する機能も搭載する。
米Microsoftは2月7日(現地時間)、米OpenAIの次世代大規模言語モデル採用の「新しいBingとEdge」を発表した。Microsoftはこれらを「AI採用のWebの副操縦士」と考えているという。英語版Bingで限定プレビューを試せる。
限定プレビューは、用意された12の質問をクリックするというものだが、ウェイティングリストに登録し、承認されればフルアクセスできるようになる。
2つの条件を満たせば、順番が早くなるという。条件というのは、Edgeをデフォルトブラウザに設定し、モバイル版Bingをスマートフォンにインストールすること。いずれもMicrosoftアカウントでのログインが前提だ。
限定プレビュー段階では、自由な検索クエリは使えず、プレビュー画面の12の質問のいずれかをクリックすると、従来のBingの検索結果の右にAIチャットbotによるテキストでの回答のカラムが表示される。
フルアクセスできるようになると、追加の質問をしてBingと会話できるようになるという。ウェイティングリストに登録し、フルアクセスできるようになるとMicrosoftアカウントにメールで通知が来る。
Microsoftはこの新しい検索方法に新たな名称を付けてはおらず、「新しいBing」としている。また、採用するエンジンはOpenAIの「ChatGPT」の言語モデル「GPT-3.5」ではなく、「OpenAIのモデルを使う独自開発の」次世代言語モデル「Prometheus」(プロメテウス)としている。ChatGPTのトレーニングデータは2021年までのものだが、サンプルの質問の答えにはより新しい情報(2023年に開催される音楽フェスなど)が含まれる。
新しいBingでは、最大1000ワードの長さのクエリを入力できる。FAQによると、新しいBingは「Web全体で関連するコンテンツを検索し、見つかった内容を要約して役立つ応答を生成する」という。
新しいEdgeにはチャットとコンテンツ作成のサイドバーが表示されるようになる。チャットには、ユーザーが表示している例えば長い財務報告書の要約を表示し、チャットで競合他社の財務との比較を求めたり、その結果を表にまとめたりできる。また、Microsoft傘下のLinkedInへの投稿用コンテンツ作成を依頼することもできるという。
こうしたAIによる支援についてMicrosoftは、「AIは間違いを犯す可能性があり」「説得力があるように聞こえるが、不完全、不正確、または不適切な応答が表示される場合があります。Bingの対応に基づいて決定を下したり行動したりする前に、あなた自身の判断を使用し、事実を再確認してください」と注意を促している。チャットbotのカラムの右上には1クリックで回答を評価することもできるようになっている。
Microsoftのこの発表は、米Googleが“実験的な会話型AIサービス”の「Bard」を発表した直後に行われた。Googleは8日にAI関連のイベントを開催する予定だ。
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