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アップル、初のMRヘッドセット「Apple Vision Pro」正式発表 3499ドル、発売は24年頭に(2/2 ページ)

米Appleは6月5日(現地時間)、年次開発会議「WWDC23」において、同社初のMRヘッドセット「Apple Vision Pro」を発表した。実空間とコンピュータのディスプレイを融合するMR技術に対応し、新たに「空間コンピューティング」を標榜する。

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MRヘッドセットなのに「装着者の顔が見える」

 Vision Proには、ヘッドセットを装着したままでも周囲とコミュニケーションできる新機能「EyeSight」を搭載しており、人が近づくと、外側のディスプレイに装着者の顔を表示。レンズの周囲に配置された高速カメラと環状のLEDアレイを使った高精度なアイトラッキングシステムにより、ユーザーが作業に没頭している場合でも、どこに目線を送っているかを外から確認することができる。


ユーザーがどこを見ているのか顔を外に表示する「EyeSight」

バーチャル空間に没入していても、人が近づいてきたら一部分をMR表示できる

 このアイトラッキングシステムは、自身のアバターを動かすときにも使用できる。Vision Proでは、内蔵のカメラやセンサーアレイを使ってユーザーの顔からデジタルペルソナ(アバター)を生成。Vision Proを被ったままでも、デジタルペルソナがユーザーの顔となってFaceTimeなどのビデオチャットに参加できるという。細かい表情の変化や仕草も違和感なく反映してくれる。


Vision Proのカメラとセンサーを活用し、ユーザーの顔をスキャン

アイトラッキングシステムや各種センサーを活用したデジタルペルソナはかなり自然に表情を反映してくれる

 Appleおなじみの空間オーディオにも対応。LiDARなどのセンサーアレイを活用し、空間と音の位置を一致させることで、音がユーザーの周囲の環境から聞こえてくるような感覚を生み出すことができるという。Vision Proには、2つのオーディオドライバーを内蔵し、ユーザーの頭と耳の形状に基づいてパーソナライズした空間オーディオを提供する。

虹彩を使った認証システム「Optic ID」

 虹彩を使った認証システム「Optic ID」も新たに採用する。事前に登録したユーザーの虹彩を分析し、Vision ProのSecure Enclave内に格納。登録されたOptic IDデータと比較することで、ロックを解除したり、Apple Payでの支払いなどに使うことができる。Optic IDのデータは暗号化されており、Appleのサーバには保存されず、カメラやセンサー、視線移動のデータも、ユーザーのプライバシーとしてAppleだけでなく、サードパーティーやWebサイトにも共有されないという。

 なお、Vision Proのバッテリーは有線で接続する外付けタイプとなっている。ハイパフォーマンスのチップを搭載しているためか、駆動時間は最大で約2時間と少なめではあるが、電源に接続した場合は1日中使用できるとしている。


外部バッテリーだと2時間駆動できる

Unityと連携

 アプリ開発では、XcodeやSwiftUI、RealityKit、ARKitなどが利用できる他、空間対応アプリ向けの3Dコンテンツ制作向けに、「Reality Composer Pro」を提供する。また、Unityとの連携を発表。Unityベースのゲームやアプリで、visionOSの機能をフルに活用することができるという。Unityアプリはネイティブで動作するため、他のvisionOSアプリと同時にレンダリング可能としている。


3Dを使ったアプリ開発を容易にする「Reality Composer Pro」

Unityとの連携を発表

【訂正:2023年6月6日午前5時50分更新 初出時、物理的シースルーに対応と表記しておりましたが、ビデオシースルーであることが判明したため表現を修正いたしました。】

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