OpenAI、LLMの新バージョンや値下げを発表 関数呼び出し可能に
OpenAIはgpt-3.5-turboとGPT-4をそれぞれアップデートした。関数呼び出し機能が追加された。値下げも発表した。
米OpenAIは6月13日(現地時間)、LLM(大規模言語モデル)のAPIの更新と一部の値下げを発表した。
gpt-3.5-turboとGPT-4がそれぞれアップデートされ、「gpt-3.5-turbo-0613」と「gpt-4-0613」になった。
新モデルでは、関数呼び出し機能が利用できる。これらのモデルには、関数を呼び出すための引数を含むJSONオブジェクトの出力を選択させることができる。GPTの機能を外部ツールやAPIと接続するための新しい方法だ。
プロンプトから関数を呼び出す必要があると検出すると、関数の署名に準拠したJSONで応答する。
これにより、開発者は例えば、ChatGPTプラグインなどの外部ツールを呼び出して質問に答えるチャットbotを構築したり、自然言語をAPI呼び出しやデータクエリに変換したりすることが可能になる。
また、各モデルにコンテキストウィンドウ(プロンプトに対する応答を生成する際にAIモデルがアクセスできるトークンの範囲)の拡張版を追加した。gpt-3.5-turbo-0613では4倍のコンテキスト長(1万6000トークン)の「gpt-3.5-turbo-16k」が、gpt-4-0613では3万2000トークンの「gpt-4-32k」を選択できる(GPT-4の拡張版はウェイティングリストへの登録が必要)。
新価格は以下の通り(いずれも1000トークン当たりの価格)。「text-embedding-ada-002」は、テキスト埋め込みモデルの1つだ。
- text-embedding-ada-002:0.0001ドル(75%値下げ)
- gpt-3.5-turbo-0613:入力は0.0015ドル、出力は0.002ドル(25%値下げ)
- gpt-3.5-turbo-16k:入力は0.003ドル、出力は0.004ドル
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