日本の保険診療医でつくる任意団体・全国保険医団体連合会は6月21日、マイナンバーと一体化した保険証の読み取りシステムを導入している医療機関のうち、65%がトラブルを経験した、という調査結果を発表した。
マイナンバー保険証を読み取っても「無効・該当資格なし」と表示されたり、読み取り機の不具合で読み取りできなったり、といったケースが多く、無保険扱いとなって患者が窓口でいったん10割負担した例も、全国で1291件あったという。
調査は、41都道府県の医療機関を対象に約6万6000件を送付し、約1万件の回答を得た。そのうち、オンライン資格確認(マイナ保険証受付)を実施しているのは84.2%だった。
実施している医療機関のうち、導入後にトラブルがあったと答えたのは65.1%。
トラブルの内容(複数回答)は、「被保険者情報が正しく反映されていなかった」(無効・該当資格なしなど表示)が66.3%、「カードリーダーなどの不具合で読み取れなかった」が48.4%、「マイナ保険証の不具合(ICチップの破損など)で読み取りできなかった」が20.0%、「患者から苦情を言われた」が12.4%だった。
現場の声として、「『無効』『該当資格なし』と表示される例がかなりある。保険証原本とオンライン上のデータとの相違も多い」「後期高齢者の方で、1割が正当なのに2割と表示された」「顔認証付きカードリーダーでうまく認証できない」「パスワードが分からなくなり、マイナンバーカードにロックがかかる例が頻発」などが挙がった。
トラブルが起きた際の対応(複数回答)で最も多かったのは「健康保険証で資格確認した」(74.9%)、次が「オンライン資格確認のコールセンターに連絡」(11.6%)。
トラブルがあった際、コールセンターにすぐつながらないなど、すぐに対応できなかったケースを経験した医療機関も39.9%。資格確認できず、一旦10割負担で医療費を徴収した事例が38都道府県で1291件あったという。
10割負担を求められた患者とのトラブルも。「顔認証で確認できず、暗証番号記憶なし。保険証を持ち合わせておらず、一旦10割負担になることを説明したが、役所で、これで保険証なくても受診できると言われたの一点張りで納得せず。待合室で大きな声で騒ぎ立てるため、やむなく警察を呼んで、その場は終息した」という報告もあった。
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