「アレクサ、こたつつけて」をやってはいけないワケ 見逃しがちな“利用上の注意点”
「アレクサ、こたつつけて」──実はこれ、やってはいけない(ことになっている)。電気用品の遠隔操作に関する見逃しがちな“利用上の注意”を解説。
横着なのでスマートプラグの設定を変えておらず、夏だけど『アレクサ、こたつつけて』と指示して冷却ファンの電源をオンにしている──日常の1ページを切り取った、こんなイラスト付きツイートが話題だ。というのもこのイラスト、実は1点“やってはいけないこと”が隠れている。そう「アレクサ、こたつつけて」という指示だ。
イラスト内で実行しているわけではないが、もし本当にやると電気用品安全法の禁止行為に当たる可能性がある。紹介したツイートにも同様の指摘が相次いでいた。同じようにコタツやホットカーペットなどのオンオフに使っている、という声もありそうだが、火災ややけどにつながる可能性があるので、注意が必要になる。
電気用品安全法とは、その名の通り電気用品の事故や危険を防止し、安全な利用を促進するものだ。主に製造・販売事業者向けの規制を定めており、例えば電熱器を含む電気用品を、音声で遠隔操作する仕組みを禁じている。
例えばコタツは比較的安全な暖房器具ともいわれるが、ヒーター部に布団や布などが接触することによる火災は実際に発生している。遠隔操作では安全を確認しにくく、より火災が起きやすい仕組みになってしまう。こうした安全上の理由があることから、基本的にこたつなどのメーカーは、音声操作によって電源をオンオフできる機能を提供できない。
音声操作してはいけない製品としては、他にもアイロンやヘアアイロン、電気ストーブなどが挙げられる。詳細は経済産業省のガイドラインにもまとまっている他、スマートプラグの説明書などにも記載があるので、チェックしておいた方がいいだろう。
ちなみに、話題のイラストを投稿したTwitterユーザーのしんいちさんにとっても“うっかりミス”だったようで、「『考えてみれば確かに、見てない所で付いたり燃えたりするかもなのは危ない!』と改めてハッとした。問題と思っていないとそこに行きつかないのだなーと実感した」とITmedia NEWSにコメントを寄せた。
「何気ないつぶやきと落書きだったが、電気用品安全法について補足した内容と合わせて予想外に多くの人にRTしてもらえたので、けっこう知らない人がいたのかも、と思っている。自分のツイートが何らかの注意喚起の一助になれば幸い」(しんいちさん)
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