20日配信の「ポケモンスリープ」、リリースはなぜ3年遅れた? ポケモン社の担当者に聞いた
もともとは2020年に提供予定だった「ポケモンスリープ」の提供はなぜ遅れたのか。ポケモンスリープのプロジェクト担当者であるポケモン社の首藤まり江さんに直接聞いた。
7月20日の配信が決まった、ポケモンの新作スマートフォンゲーム「ポケモンスリープ」(iOS/Android)。歩行をテーマにした「ポケモンGO」に対し、ポケモンスリープは睡眠の質や時間を計測し、そのデータを使って進めるゲームだ。
ゲームの舞台は世界のどこかにある島。プレイヤーはポケモンの睡眠時の生態を研究しているネロリ博士と協力して「ポケモン寝顔図鑑」の完成を目指す。島にはよく眠るポケモン「カビゴン」や、カビゴンの「ねむけパワー」に誘われて集まるポケモンたちがいる。ねむけパワーはプレイヤーの睡眠時間などで高まるので、よりよい睡眠を取ることで寝顔を集める──という内容だ。
もともとは2019年に発表、20年に提供予定だったが、最終的に23年のリリースとなった。なぜリリースが遅れたのか、ポケモンスリープのプロジェクト担当者であるポケモン社の首藤まり江さんに直接聞いた。
「眠りで進むゲーム」のデザインに苦戦
──ポケモンスリープのリリースが遅れた理由を教えてください。
首藤さん(以下敬称略) さまざまな理由がありますが、特に先行となるアプリが存在しない点が大きかったです。単に睡眠を計測するツール・アプリはたくさんありますが、そのデータを活用したゲーム性のあるアプリはあまりなく、その点で苦労しました。
──つまり、ゲームデザインで苦労したということですか?
首藤 はい。大体の人は1日に1回しか眠りません。同じく大体の人にとって、ゲームは日中時間のあるときに遊ぶものだと思います。一方、ポケモンスリープは寝るタイミングだけで進むゲームアプリです。眠っているときに進むゲームデザインや設計をどうするか、時間を使って試行錯誤しました。
──当初の予定から3年遅れということで、長く待っていた方も多いかと思います。そういった方へのコメントやメッセージがあればお願いします
首藤 まずは大変お待たせしてしまいました。その分、睡眠計測ツールとしても、睡眠データを活用したゲームとしても最大限こだわって作り上げましたので、ぜひポケモンスリープで眠ってみてもらえたらうれしいです。
──そもそも、なぜ睡眠に着目したゲームを提供するに至ったのでしょうか
首藤 2016年に配信したポケモンGOで、歩くことに楽しいという価値を加えることができました。同じように、人が日常生活で当たり前に行う基本動作・行動に着目したのが始まりです。睡眠は誰もがするもので、データも蓄積されていきます。これを数値にしてゲーム化すると面白いのでは、と目を付けました。
──すでにポケモンGOと比較する声も見られますが、提供にあたっての意気込みがあれば教えてください。
首藤 定性的な話にはなりますが、日常の動作に価値を加えるという意味で、ポケモンGOとポケモンスリープは同じテーマのアプリだと思っています。ポケモンの熱心なファンだけでなく、例えばファン歴が浅い人でも楽しめるようになっていると思うので、規模としてはポケモンGOと同じような規模で愛されるとうれしいです。とはいえ、まずは一度使ってみて、毎日継続的に遊んでみてもらえればと思います。
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