“ネコ型配膳ロボ”開発元、日本の清掃市場に本腰 “新顔”も
ネコ型配膳ロボ「Bellabot」を手掛ける中国Pudu Roboticsが、日本の清掃市場攻略を加速。2024年までに3000台規模の提供を目指すという。
ネコ型配膳ロボ「Bellabot」を手掛ける中国Pudu Roboticsは7月27日、同社製の商用スマート掃除機「PUDU SH1」を日本市場に投入すると発表した。飲食店、ホテル、ショッピングモール、医療施設、公共施設などでの導入を見込むという。すでに展開を始めている清掃ロボ「CC1」と合わせ、2024年までに3000台規模の提供を目指す。
SH1は、滑りやすい硬い床の掃除や、油汚れの除去に特化したスマート掃除機。油汚れの吸引やブラシでの水拭きが可能で、Bellabotのように自走せず、人が押して使う。重量は約22kgあるが、操作を補助するパワーアシスト機能があり、少ない力で動かせるという。フル充電時の連続稼働時間は80〜100分程度。
Bellabotのように表情を映すタッチパネルはないが、天面のモニターで残りの電力量や水量などを確認できる。清掃のデータを保管・収集することも可能で、専用のクラウドサービスで稼働時間などを確認できるという。
すでに国内で100台程度を提供するCC1も提供を加速。25日には、国内の販売代理店DFA Robotics(東京都渋谷区)が、CC1を無料で試験導入できるキャンペーンを始めた。CC1はBellabot同様、搭載するカメラやセンサーによって障害を避けながら自走できる清掃ロボット。SH1とは違い、硬質な床だけでなくパイルカーペットなどじゅうたんも掃除できる。モニターには表情を表示可能で、数十分放置されたときに目のような模様が映り、まばたきする。
Pudu Roboticsが日本の清掃市場で展開を加速するのは、労働力不足による需要を見込んでいるためだ。日本は先進国の中でも少子高齢化や労働力不足が深刻で、特にサービス業や清掃業ではその傾向が顕著だと同社のチョウ・トウCEO。地方や中小規模の飲食業では人件費の高騰も進んでいる他、他の国よりロボットが受け入れられやすい側面もあり、普及の余地があると考えているという。
「日本における清掃ロボット市場の規模は約1兆1000億円と考えている。一方で、日本の清掃業従事者の年収は平均して約230万円で、できることは多いと感じた。配膳ロボットで培った技術的なノウハウを生かし、長期的には100万台規模の提供を目指す」(トウCEO)
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