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生成AIで俳句をムービー化 「蛙飛び込む水の音」をどう表現? 試したら“童謡”ができた!?:遊んで学べる「Experiments with Google」(第37回)(2/3 ページ)
生成AIは俳句をどう映像化するのか? 「蛙飛び込む水の音」をどう表現するのだろうか。筆者がAIサービスを使ってみたら“童謡”ができあがった!?
夏の句:“わび・さび”から遠い表現に?
続いて、夏の句を味わおう。トンボのマークをクリックしたところ、次の俳句が表示された。
The old pond, a frog jumps in.
The sound of water.
トンボを題材にした俳句かと思いきや、予想に反して蛙の句が表示された。有名な松尾芭蕉の俳句「古池や 蛙飛びこむ 水の音」を英訳したものだ。
英訳は良い。しかし効果音と映像がいただけない。池に拳ほどある大きな石を投げ込んだような「ドボン!ドボン!」という音が鳴り、その後で水面から蛙が顔を出す。2つ用意された音楽も、人気(ひとけ)のない古池が感じられない。
このAIには“わび・さび”の趣を学習させなかったのかもしれない。
わび・さびを感じられない、AIによる「古池や 蛙飛びこむ 水の音」の映像
秋の句:ホラー映画が始まりそう
気を取り直して、秋へ移る。黒い鳥の羽のマークをクリックして表示されたのが次の俳句だ。
On a withered branch
A crow is sitting
This autumn evening
オリジナルは「枯枝に 烏のとまりけり 秋の暮」というもので、これも松尾芭蕉の作品だ。効果音は、少し恐ろしさが強すぎるように感じるが悪くない。一方、音楽を再生するとホラー映画のオープニングのようで、句のイメージと違う。ヒッチコックの「鳥」やスティーブン・キングの作品を思い浮かべてしまった。
「枯枝に 烏のとまりけり 秋の暮」という俳句から受けるイメージとは違う
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