暑すぎるのでクーラー搭載リュックを試してみた 酷暑の外出、快適になるか(2/2 ページ)
富士通ゼネラルの冷却機能付きバックパックを試してみた。酷暑の外出、快適になるか……?
用途の幅は限定的 長丁場は厳しいかも
注意しておいたほうがいい点がある。連続で利用できる時間だ。先述した通り、稼働時間は2時間ほど。充電には2〜3時間かかる。電源のオンオフも、いちいちチャックを開けて熱交換器を取り出す手間が必要だ。予備のバッテリーは販売していない。さらに保冷剤がぬるくなったら交換しなければならない。つまりこのバックパックの冷却機能は、こまめに電源をオンオフしながら長時間使うことを想定していないのだ。
なので、屋外にいる時間の方が長い人には向かないだろう。夏のレジャーや屋外イベント、屋外での長時間作業などにも使いにくそうだ。実際、筆者も1時間程度で取材先まで移動、さらに1時間程度で会社まで移動、あとは会社で働くという使い方をすると、会社に着くころにはバッテリー切れ(もしくは保冷剤がぬるくなった)で背中を冷やせなくなった。
富士通ゼネラルのコンセプトの通り、あくまで「外にいる時間よりオフィスにいる時間の方が長く、通勤時や短時間の外出時に不快な思いをしたくない」ビジネスマン向けなのだろう。逆にいえば、この用途であれば十分といえる。
あとは一応、ポケットが多くてしまえるものも多いので、短時間ならいろいろと道具を使う屋外作業にも使えるかもしれない。ただ、機械を背負っており、バックパック自体は防水ではないので、水を使う作業や雨天の利用は控えた方がよさそうだ。
ただし、バッテリーの個別販売については「問い合わせがあれば検討する」(富士通ゼネラル)といい、長時間利用の道が完全に断たれたわけではない。
毎日外出するならコスパはよさそう
となると、問題はコストパフォーマンスだ。公式ECサイトでの価格は税込3万6182円。先に述べたようにレジャーでの利用は難しそうなので、在宅勤務でたまにしか家から出ない人にはちょっと割高かもしれない。逆に、毎日出勤する人なら一考の余地はある。9月29日までは、二子玉川の蔦屋家電で体験会をやっているので、近辺に住んでいる人なら一度試してみるのもいいだろう。
いずれにせよ、2023年の暑さはちょっと、クレイジーだ。来年以降も同じ気候なら、気がめいる。正直、あの暑さと不快感から逃れるのに3万円超を払う人がいたとして「いやそれ間違ってるよ」とはとても言えない。
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