保険証とマイナンバーのひもづけミス、総点検で1069件発見 原因は“不適切なJ-LIS照会”
デジタル庁は、マイナンバー関連のトラブルが相次いでいる問題を受けて実施しているデータの総点検について中間報告した。ひもづけミスは保険証データで1069件、共済年金データで118件見つかった。
デジタル庁は8月8日、マイナンバー関連のトラブルが相次いでいる問題を受けて実施しているデータの総点検について中間報告した。ひもづけミスは保険証データで1069件、共済年金データで118件見つかった。
点検は、地方自治体や関係機関などひもづけ作業をしている機関を対象に実施。ひもづけ方法や、データの正確性を確認した。保険証データとマイナンバーのひもづけについては、約1515万件のデータを確認したところ、異なるマイナンバーが登録された事例が1069件(全体の約0.007%)見つかった。
共済年金データとのひもづけについては、約510万件のデータを確認し、118件(0.002%)のミスが見つかった。障害者手帳データのひもづけミスについても調査したところ、237の自治体のうち50の自治体で適切な処理が行われていないことが分かった。
各機関が各種手続きやサービスを提供する上で必要な情報を取得する際には、利用者などのマイナンバーを使うことがある。しかし、機関によってはマイナンバーの提出義務を設けていないこともあり、利用者からマイナンバーが提示されないことがある。
その場合、各機関は利用者などの氏名や生年月日といった情報を使って地方公共団体情報システム機構に情報の照会(J-LIS照会)を行う。デジタル庁によると、ひもづけミスの原因の多くはこのJ-LIS照会の際に住所の情報を使わずに実施したこととしている。
デジタル庁は再発防止策として、(1)関連省庁が省令の改正やガイドラインの策定をすることで、各種手続きにおいて申請者側がマイナンバーの提出を行うよう求めること、(2)J-LIS照会の際に住所も含む情報を使って照会する用システム改修すること、(3)事務手続きをデジタル化することを挙げている。
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