警察庁は、社会問題化している「闇バイト」の傾向をまとめた事例集を公開した。犯行グループはSNSやコミュニティサイトで少年たちを集め、言葉巧みに個人情報を引き出し、それを元に脅迫していた。最後には“必ず”警察に検挙されるという。
少年たちが闇バイトで犯罪に加担するまでの流れにはいくつかのパターンが存在するが、多いのはX(旧Twitter)やInstagramなどのSNSを通じて自ら応募するケースだ。例えば「お金に困っている」とXで投稿したら「働いてみないか」というメッセージが届き、送り主が犯行グループだったという。
応募の意思を示すと、犯行グループは匿名性の高いメッセージアプリをスマートフォンに導入するように指示する。メッセージの自動削除を設定できる「Signal」や「Telegram」、中国で人気の高い「WeChat」「DingTalk」などのアプリが使われる。
さらに犯行グループは「アルバイトの登録に必要」などと言葉巧みに身分証明書の写真など個人情報を要求する。仕事の内容を知った後で拒否すると「自宅に押しかける」「家族全員殺す」など個人情報をもとに脅迫し、犯罪行為に加担せざるを得ない状況に追い込むという。
闇バイトに一度手を染めると、必ず警察に検挙されるという点も特徴の1つ。理由は「脅しなどにより、逮捕されるまで何度でも使われるため」。
警察庁は「闇バイトの実態は、犯行グループが実行役を手広く募集するもの。逮捕されるまで使われ、逮捕されれば見捨てられる“捨て駒”」と指摘。「1回だけなら」など安易な考えで応募しないように呼び掛けると共に、仮に犯罪に加担してしまった場合でも警視庁や県警が設置している「ヤングテレホン」(少年相談窓口)に助けを求めることを勧めている。
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