KDDI、スマホと衛星の直接通信サービス スペースXと協力 「空が見えればつながる」目指す

KDDIが、スマートフォンと衛星が直接通信するサービスの提供を2024年内に始めると発表した。提供に当たってはスぺースXと提携。これまでカバーできていなかった山間部や離島などでも、KDDIのサービスを利用可能にするという。

[吉川大貴，ITmedia]

　KDDIは8月30日、スマートフォンと衛星が直接通信するサービスの提供を2024年内に始めると発表した。提供に当たってはスぺースXと提携。これまで4G LTEや5G回線ではカバーができなかった山間部や離島などでも、KDDIのサービスを利用可能にするという。価格などは後日発表する。

KDDIの高橋誠社長

　まずはSMSなどのメッセージ送受信から始め、順次音声通話やデータ通信も可能にする。「ドコモやソフトバンクもエリアカバー率はほぼ同じ。これからの差別化は『非日常をつなぐ』ことにある。エリアカバーの新次元、『空が見えればつながる』ことを目指す」（高橋誠社長）という。同日の発表会では、旅先の船上や、山で道に迷ったときにショートメッセージをやりとりする利用イメージも公開した。

サービスのイメージ

　KDDIは2021年からスペースXと協業しており、衛星ブロードバンド「Starlink」を使った基地局の設置を進めてきた。これまでの取り組みは、KDDIがカバーできていない特定エリアでの通信品質をより高める目的だった。一方で新サービスでは、まずはエリアを特定せず、日本全体におけるカバー率向上を目指す。Starlinkを活用した基地局の設置は今後も続ける。