クラファン開始 その時、中の人達はどんな気持ち? 3億円を売り上げたViXionとkibidangoに聞いた(3/3 ページ)
クラウドファンディング──すっかり一般的になったが、実際にプロジェクトを実施するとどんな気持ちなのか。最近「kibidango」でプロジェクトを成功させたViXionと、運営会社きびだんごの担当者に話を聞いた。
南部氏:ViXion01は、クラファン開始前に製品はほぼできていたのですが、半年以上かけていろいろな皆さんを巻き込んで準備してきました。クラファンがスタートした後も、毎日メンバー同士で考え抜き、私も飛び回りました。そこにさらに運も必要だとは思います。でも、準備も考えることも誰でもできることですから、(クラファンをしてみたい方々は)ぜひ挑戦してほしいです。
チャレンジングな製品が理解されてうれしい
──今回はkibidangoのシニアプロジェクトコーディネーターである青井一暁さんにもお話をうかがいます。正直に答えていただいていいのですが、今回のViXion01、ここまで成功すると思っていましたか?
青井氏:最初にViXion01を見せていただいたとき、これはすごいと感じましたし、未来も感じました。その意味では、絶対に成功してほしい製品だと思いました。
ただ、デザインも含めて“とがっている”製品でもあったので、どういう反応になるのかなという不安はなかったわけではないです。クラファンスタートの前日は私もなかなか寝つけなかったです。
──それはたいへんでしたね(笑)
青井氏:ViXionさんも常々メッセージとして出しているように、ViXion01はまだまだ発展途上の製品です。だから、分かっている人が飛びついてくれればいいな、つまりリテラシーが高い方が支援してくれればいいなとは考えていました。その意味で、ViXion01のデザインは優れているとも思い直した部分はあります。
とはいえ、ここまで支援を集めることになったのは、正直すごいと思っていますし、いろんな意味でリテラシーが高い方が、日本には多いんだなと思ってます。
──支援者の動きに驚いたということですか?
青井氏:日本のユーザーはすごいな、と改めて思いました。ViXion01のようなチャレンジングな製品が理解されたという、うれしさがいちばん大きいです。
──支援期間の延長がありました。これはクラファン運営側として、どういう判断をしたのですか?
青井氏:kibidangoの支援期間には、59日間のしばりがあります。ただ、過去にも支援期間を延長したプロジェクトはあって、それは体験会の重要性が高いプロジェクトであることが分かった場合です。体験会はどうしても実行するのに時間が掛かるので、その分延長するということです。ViXion01もそこが大事ということが見えたので、支援期間延長を決めました。
──最後に今回のクラファンを振り返っていかがでしたか
青井氏:ViXionは製品もそうですが、中の人に素晴らしいメンバーがそろっています。体験会の実施を勧めたのも、そういった皆さんがいれば、製品の良さがよりよく伝わると考えたからです。いつも「プロジェクトは人なり」と思っているのですが、ViXion01はまさにそれを体現したすばらしいプロジェクトだと思います。
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