Arm+NVIDIAな次世代スパコン「GH200」、世界初展示 SoftBank World 2023
10月3日から6日まで開催中の年次イベント「ソフトバンクワールド」で、米NVIDIAの“次世代スーパーチップ”「GH200 Grace Hopper」の実機が展示されている。実機展示は世界初。
10月3日から6日まで開催中の年次イベント「SoftBank World 2023」(ザ・プリンス パークタワー東京)で、米NVIDIAの“次世代スーパーチップ”「GH200 Grace Hopper」の実機が展示されている。展示担当のサーバベンダーである米Supermicroによれば、実機展示は世界初。
GH200 Grace HopperはNVIDIA製のArmアーキテクチャCPU「Grace」と、GPU「Hopper」を統合したシステム。GPU側の性能は同社のデータセンター向けフラグシップGPU「H100」とほぼ同等だが、メモリが現行より50%高速になっている。
従来のHPCやスーパーコンピュータと呼ばれるマシンとの違いは、CPUとGPUが密に結合している点。従来機ではCPUとGPUの間でのデータの受け渡し速度にボトルネックがあったため、それぞれが高速化してもデータの受け渡しが速くならないので高速演算を十分に享受しづらい問題があった。GH200では、GPUメーカーだったNVIDIAがCPUも作ることでこの問題を大きく改善したという。
このイベントで世界初展示となったのは、英Arm Holdingsがソフトバンクグループ傘下であるのに加え、ソフトバンクとNVIDIAも協業関係にあり、同じく傘下で同グループの流通を担うSB C&SもSupermicroとの協業を強化したことなどが背景にある。
5日の基調講演では、SB C&Sの溝口泰雄CEOが「米国ではGPUサーバの市場が伸びているのに日本では伸びていない」と指摘。企業の生成AI活用にはクラウドだけでなくオンプレミスも利用したハイブリッド環境が重要になるとして、今後ニーズがさらに増えるであろうGPUサーバの日本市場を開拓したい考えを示した。
関連記事
- まだChatGPTを使ってない人は「人生を悔い改めた方がいい」――孫正義節が炸裂
「ChatGPTは何回もテレビにも新聞にも雑誌にも出ているのに、それを自分自身で毎日活用してないと。もうそれは電気を否定するとか自動車を否定する人と同じ」――10月4日に東京都港区で開催された「Softbank World」の基調講演で登壇したソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長の孫正義氏は、“孫節”を効かせながら生成AIの威力と、AGI(汎用人工知能)が登場する未来について語った。 - AI向けGPUサーバ普及でSB C&Sと米Supermicroが協業 合同チームで販売力強化
SB C&Sがサーバベンダーの米Supermicroと協業する。Supermicroの最新GPUサーバをSB C&Sが取り扱い、2社合同のタスクチームで販売から構築、保守サポートまでを行うとしている。 - NVIDIA、生成AI向け“スーパーチップ”「GH200 Grace Hopper」を2024年に発売
NVIDIAは、「H100」の3倍のメモリ容量を搭載する生成AI向け“スーパーチップ”「GH200 Grace Hopper」を発表した。ジェンセン・ファンCEOは「LLMの推論コストは大幅に低下する」と語った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.