Docker、ビルドを約40倍高速にする次世代のDocker Buildを開発中 Mastodonのビルドが2時間25分→3分40秒に
米Dockerが、コンテナのビルドが従来の約40倍も高速になる「Next-Generation Docker Build」(次世代のDocker Build)コマンドを開発中だと発表した。
この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「Docker、ビルドを40倍高速にする次世代のDocker Buildを開発中。DockerCon 23」(2023年10月12日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
米Docker社は米ロサンゼルスで10月3日と4日の2日間、年次イベント「DockerCon 23」を開催しました。
1日目の基調講演では、コンテナのビルドが従来の約40倍も高速になる「Next-Generation Docker Build」(次世代のDocker Build)コマンドを開発中だと発表されました。
より高速化が望まれるDocker Build
Docker Buildコマンドによるビルドとは、Dockerfileを用いてコンテナイメージを生成する処理です。
同社の調査では、開発チームは平均で1日のうち1時間のビルドの待ち時間が発生しているとのこと。
開発効率を高めるには、これを短縮することが求められます。
そこで、より高速な次世代のDocker Buildコマンドが開発されています。従来のワークフローにそのまま組み込むことができるだけでなく、クラウド上でビルドを実行しチームで共有することでさらに待ち時間を小さくすることが可能です。
また、クラウド上のビルドで生成されたキャッシュもチームで共有され、ローカルでのビルドの高速化に用いられます。
Docker Desktopのユーザーインターフェイスもこれに合わせて改善され、ユーザーによるビルドとチームで共有しているビルドのどちらも画面から進捗状況が確認できるようになります。
Mastodonのビルドが39倍高速に
具体的な例として、Mastodonをx86やArmなどマルチアーキテクチャ対応のビルドを行うケースでは、従来2時間25分かかっていたビルドの時間が次世代のDocker Buildでは3分40秒に短縮されたことが示されました。39倍の高速化です。
次世代のDocker Buildコマンドは、高速かつ拡張可能で、コラボレーションを促進するものとなります。
次世代のDocker Buildコマンドは現在限定アーリープログラムとして希望者の申し込みを受付中です。
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