NVIDIA、ロボットに“高速ペン回し”も教えるGPT-4搭載AI「Eureka」
NVIDIAは、ロボットに高速なペン回しなどの複雑なスキルを自律的に教えるAIエージェント「Eureka」を発表した。ライブラリを公開し、「Nvidia Omniverse」上の「Nvidia Isaac Gym」で実験できるようにした。
米NVIDIAは10月20日(現地時間)、ロボットに高速な“ペン回し”や引き出しの開閉など、複雑なスキルを自律的に教えるAIエージェント「Eureka」(ユリイカあるいはエウレカ)を発表した。
NVIDIAは、米OpenAIのGPT-4搭載のEurekaのライブラリを公開し、強化学習研究用の物理シミュレーションリファレンスアプリケーション「Nvidia Isaac Gym」で実験できるようにしている。Isaac Gymは、3Dツールとアプリを構築するための開発プラットフォームNvidia Omniverseで利用できる。
Eurekaによるロボット教育の大まかな流れは、まずGPT-4と生成AIを使って、強化学習のためにロボットに報酬を与えるコードを作成する。Isaac GymのGPU高速化シミュレーションを使って報酬候補の大規模なバッチの品質を評価し、より効率的なトレーニングを実現する。そのトレーニング結果から主要な統計の概要を構築し、報酬関数の生成を改善するようGPT-4に指示する。
これにより、ロボットがロボットアームであれ、二足歩行ロボットであれ、動作を自己改善していく。
NVIDIAは論文で、「Eurekaは、タスク固有のプロンプトや事前定義された報酬テンプレートを使わずに、人間の専門家による報酬を上回る報酬関数を生成する。10種類の異なるロボットを含む29の環境で、Eurekaはタスクの83%で人間の専門家を上回り、平均52%の正規化改善につながった」としている。
関連記事
- GPT-4がマインクラフトをプレイしたら? 自動プレイするAIモデル「Voyager」 NVIDIAなどが開発
米NVIDIA、米カリフォルニア工科大学、米テキサス大学オースティン校、米スタンフォード大学、米アリゾナ州立大学に所属する研究者らは、GPT-4を搭載し、Minecraftを学習しながら自動プレイするAIモデルを提案した研究報告を発表した。 - NVIDIA、生成AI向け“スーパーチップ”「GH200 Grace Hopper」を2024年に発売
NVIDIAは、「H100」の3倍のメモリ容量を搭載する生成AI向け“スーパーチップ”「GH200 Grace Hopper」を発表した。ジェンセン・ファンCEOは「LLMの推論コストは大幅に低下する」と語った。 - NVIDIAのファンCEOがCOMPUTEXで披露した生成AI関連製品まとめ
NVIDIAは「COMPUTEX 2023」で、多数の生成AI関連製品を発表した。大容量AIスパコン「DGX GH200」やゲームキャラに命を吹き込む「Avatar Cloud Engine」など、ジェンスン・ファンCEOが発表した主な製品をまとめてみた。 - GPT-4を上回るオープンなLLM誕生? 中国研究者らが「Xwin-LM」公開
米OpenAIの生成AI「GPT-4」を上回る性能をうたうAI「Xwin-LM」が、AIモデル共有サイト「Hugging Face」に公開されている。言語モデルのベンチマークサイト「AlpacaEval」でGPT-4を追い抜き1位を獲得したとしている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.