3万円でほぼ“全部入り” ゼンハイザーの新型ワイヤレスヘッドフォンに爆売れの予感(2/2 ページ)
ゼンハイザーの「ACCENTUM(アクセンタム) Wireless」は同社製ワイヤレスヘッドフォンのエントリーモデル。その特徴を一言でまとめると「軽快さ」でした。
1)フラットで心地いい高音質
いいイヤフォン/ヘッドフォンに出会うと急に自分が知っている音の良い楽曲を全部聞き直したくなったりするものですが、その意味でACCENTUM Wirelessは、すでに合格点です。今回、チェックしたポイントを以下に並べておきます。
- 最近の楽曲でこれまで聞こえてなかった音が聞こえる
- 昔から聞いているなじみの楽曲の印象が変わる
- デジタルなソースもアナログなソースもこなす
- かなりの低音がきても、びりつくことなく全体のバランスが崩れない
- 高音域の粒立ちの良さと定位のよさ
- 中音域のバランスの良さと伸びやかさ
私以外の人には、あまり参考にならないかもしれませんが、今回サウンドチェックに使った楽曲のプレイリストを一応共有しておきます。ULTRA HDの方が音はいいですが、そうでなくてもちゃんと聞かせてくれます。
また、ACCENTUM Wirelessはアプリで実際の音楽を聞きながら、音のチューニングをすることができます。
ただ、たぶんそのサウンドチェックを10回ぐらいはやったと思うのですが、何回やっても結果はEQ(イコライザー)をいじらないフラットな状態が一番よかったのです。つまり、調整不要ということですよ。なんですか、これ最高じゃないですか。
2)音の演出
スマホとワイヤレスイヤフォン/ヘッドフォンが当たり前のようになった今となっては、聞く音は音楽だけではなくなりました。通話はもちろん、時刻や通知のような音、またAlexaような音によるUIとしての機能も含めて使われるようになりました。
そうなってくると、こちらとしては音楽を聞いているだけなのに、突然別の音が鳴ったりするわけです。これはびっくりすることもあります。しかし、ACCENTUM Wirelessの場合、そういった音がきれいなフェードイン/フェードアウトで音楽に割り込んで消えていきます。
その音の演出が非常にうまく音楽以外の音が入ってきても消えていっても不快ではないのです。これは特にスマホで外で使っているとより良いヘッドフォン体験として心に残ります。
今回、テストの意味で新宿駅地下の乗り換えするときにみんな通る通路で電話をしてみましたが、私はまるでとなりにいるような声で聞こえましたし、話をしている相手は「ホントに新宿駅ですか?」と言ってました(笑)。
3)マルチペアリング切り替えのスムーズさ
ACCENTUM Wirelessは最大6つまでマルチペアリングの履歴を保存することも可能になっています。実際に、PCとスマホの両方にペアリングして使ってみましたが、その切り替えは実にスムーズでした。
電源を入れると、先に音が鳴った方に自動的につながるのですが、Bluetoothなので機器によって相性はあるとは思いますが、私がテストした環境では接続の切り替えはほぼ一瞬でした。なお、再生中の場合は、他の端末で再生を開始しても接続は切り替わりませんので、そこはご注意ください。
ACCENTUM Wirelessは、通話用のマイクの他に、アクティブノイズキャンセリングのためのマイクが外側と内側にそれぞれ2つ装備しています。もちろん外音取り込みの機能もあり、風切りノイズ削減機能まで付いています。
こういった機能のおかげで、アクティブノイズキャンセリングも優れていますが、ここまで話してきたヘッドフォンとしての基本性能の高さと普通のヘッドフォンには必要のなかった音の変化に対する演出も相まって、アクティブノイズキャンセリングがより効果的に耳に届くのです。
これだけの内容が重さ約222gで実現されており、さらに2万9800円で提供されるというのは、ワイヤレスヘッドフォンもすごい競争になっているのだなと改めて感じます。最後にもう一度繰り返しますが、これはきっと売れます。ホワイトモデルも見てみたいですが、今すぐ欲しいです。
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