無料の3DCGツール「Blender 4.0」が正式リリース
蘭Blender Foundationが、オープンソースの3DCG作成ソフト「Blender 4.0」を公開した。新しいシェーダーでリアリティーのある表現が可能になった他、カラーマネジメントなどで新機能が用意されている。
オープンソースの3DCG作成ソフト「Blender」を手掛ける非営利団体の蘭Blender Foundationは11月14日(現地時間)、最新バージョン「Blender 4.0」の正式版を公開した。Windowsの他、macOS、Linux版がダウンロード可能だ。
内蔵シェーダーの「Principled BSDF」が新しくなった他、発光含む全てのレイヤーの上に掛かる「Coat」や、新しいマイクロファイバーシェーディングモデルを追加した「Sheen」などを強化。Coatはスマートフォンの画面など、ガラスの下に発光層がある時の表面反射の品質を向上した他、Sheenは従来の毛羽立った布に加え、特定のマテリアル上にある埃なども再現できるようになった。
カラーマネジメントは、新しいビュー変換として「AgX」を搭載。以前の「Filmic」と比べて、露出オーバーしたような飽和領域のカラー処理を改善。明るい部分の色が、カメラで撮影したように白く表現される。シーンの特定のオブジェクトのみにライトを当てる機能「ライトリンク」を実装。パスガイドは光沢のあるサーフェスでもノイズを抑えられるようになった。「Voronoi Texutreノード」では、複雑な造形が作れるフラクタルノイズを実装した。
その他、PythonなしでBlenderを拡張できる「Node Tools」、ノードのアクションを繰り返せる「Repeat Zones」、新しい回転ソケット、スナップ機能の改善、キーマップの調整などを実施。また、ユーザーインタフェースにはフォント「Inter」を新たに採用した。
関連記事
- Apple、3DCGツール「Blender」の開発基金に参加 資金にとどまらない支援提供
Appleは、無料で高機能な3DCGツールとして多くのユーザーに使われているBlenderをパトロンメンバーとして支援する。 - 無料3DCGツール「Blender」が21年ぶりのメジャーアップデート レンダリング速度が最大8倍に
オランダのBlender Foundationは、オープンソースの3DCG制作ツール「Blender」のバージョン3.0を公開した。メジャーアップデートは2000年8月にリリースしたバージョン2.0以来で、21年振り。 - Blenderをアニメ制作に投入 「呪術廻戦」などを手掛けるMAPPAが新スタジオ CGI特化
「呪術廻戦」などのアニメーション制作を手掛けるMAPPAが、CGIに特化した新スタジオを大阪に設立する。3DCG部門からスタートし、Blenderを新たに実制作に投入するという。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.