京都のお寺で「ドローン仏」8体の編隊飛行 木魚を叩く“謎のメイド”も話題に(1/2 ページ)
京都の龍岸寺で行われた法要に8体の「ドローン仏」が登場し、見事な編隊飛行を披露した。その動画にはなぜかメイド服の女性が。
読経が流れる荘厳な雰囲気の中、大きな阿弥陀如来像を中心に、たくさんのドローンに乗った小さな仏様が飛び回る──京都の龍岸寺(京都市下京区)で11月23〜25日に行われた法要「超十夜祭2023」に8体の「ドローン仏」が登場し、見事な編隊飛行を披露した。
ドローン仏を考案した土御門仏所の仏師・三浦耀山さんがX(旧Twitter)で動画を公開したところ、「なんか好き」「死後の世界が見えた」「なぜメイドがいる?」などと一部で話題になっている。メイド服の女性が木魚を叩いている姿が映っているからだ。
三浦さんによると、ドローン仏の“来迎”は今回が初めてではない。最初は2018年に阿弥陀如来、観音菩薩、勢至菩薩のドローン仏を公開してSNSやメディアを沸かせたという。
しかし玩具として売られているトイドローンでは複数台を同時に飛ばすと電波干渉を起こしやすい。このため21年に龍岸寺で実施した「シン・ドローン仏来迎法要」では「DJI Mini2」5台を採用。22年からは教育市場向けドローン「DJI RoboMaster TT」を使い、最大10台の編隊飛行を可能にした。
プログラミングは、ドローンに関するコンサルティング事業などを手掛けるfry(東京都目黒区)が担当した。ドローンにのせる仏像は、3Dプリンターで制作した。
三浦さんは「ドローン仏は、阿弥陀来迎を3D技術とドローンを使い、立体的かつ動的に表現したもの」と説明。「仏像を宙に浮かす表現は平等院鳳凰堂の雲中供養菩薩のように平安時代から現代まで様々な形で挑戦されてきました。ドローン仏はその一つの形です」としている。
なお今回は、中央に三浦さんが彫った大きな阿弥陀如来像を置くため、ドローンは8台に減らした。現在のシステムでは3m四方ほどの限られたスペースでしかプログラミングによる編隊飛行が行えないためだ。
いずれは国宝「阿弥陀二十五菩薩来迎図」(鎌倉時代、京都知恩院)にも描かれた阿弥陀如来と二十五菩薩の来迎を再現するため、26体のドローン仏を同時に飛ばす考えだという。
最後に、映像に登場するメイドさんについても聞いた。
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