ニュース
東京現像所の「返却先が分からない」多数のフィルム原版、廃棄を免れる TOHOアーカイブが管理
老舗ポストプロダクションの東京現像所が11月末で事業を終了し、返却先が分からずに一時は廃棄対象になるとされていた多数のフィルム原版は、TOHOアーカイブが引き続き管理することになった。
老舗ポストプロダクションの東京現像所が11月末で事業を終了し、返却先が分からずに一時は廃棄対象になるとされていた多数のフィルム原版は、TOHOアーカイブ(東京都世田谷区)が引き続き管理することになった。
東京現像所のWebサイトは12月1日に「全事業終了のご案内」に切り替わり、映像編集事業などはTOHOスタジオ(東京都世田谷区)、そして映像デジタルアーカイブ事業はTOHOアーカイブが承継会社になると告知している。同社のフィルム原版返却作業も終了し、権利者の確認できなかったものは今後、TOHOアーカイブで管理するという。
返却作業を進めていた東京現像所は今年9月、権利者と10月末までに連絡が取れない場合は廃棄対象にすると告知し、SNSなどで「貴重なフィルム原版が失われる」と危惧する声が上がっていた。9月時点では、1970〜2000年代前半ごろまでの映画やテレビ番組など、約2万作品が確認作業の対象だった。
東京現像所は、東宝や大映など映画会社の出資により1955年に設立されたポストプロダクションで、多くの映像作品に携わってきた。しかし映像製作のデジタル化など事業を取り巻く環境が大きく変わったことから、11月末をもって事業を終了した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 2万作品もの貴重なフィルム原版が失われる可能性──東京現像所の事業終了で 権利者に「連絡」呼び掛け
老舗ポストプロダクションの東京現像所が9月7日に公表したある案内が、映画関係者やファンに衝撃を与えている。11月末をもって事業を終了する同社は、預かっているフィルム原版の返却先と10月末までに連絡が取れない場合、廃棄対象になると告知したのだ。 - 「秋葉原からネジはなくしません」 「ネジの西川」年内廃業→千石電商が業務を引き継ぐと明らかに
東京・秋葉原にある西川電子部品の廃業に伴い、秋葉原に3店舗を構える千石電商が、ネジ販売業務を引き継ぐと明らかにした。 - ここで過去8代の「ヤン坊」「マー坊」を振り返ってみましょう
大きなものから小さなものまで動かす力の会社として知られるヤンマーは16日、次世代の「ヤン坊」「マー坊」を決める一般投票を始めました。 - 映画「翔んで埼玉」続編公開、地域ディスりの嵐に飲み込まれてしまった漫画家は何を思ったか
23日に映画「翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜」が公開されました。2019年に公開され、埼玉への“愛あるディスり”が話題となった映画「翔んで埼玉」の続編。ボクも埼玉県内の劇場に足を運びました。 - 映画「ゴジラ-1.0」見た漫画家が「こういうのでいいんだよ」とつぶやいた理由
3日に公開したゴジラシリーズの最新映画「ゴジラ-1.0」。公開3日で64万8000人を動員し、興行収入10億4100万円と「シン・ゴジラ」を超える好スタートを切りました。