MetaのThreads、欧州での提供開始
Metaは、今年7月に立ち上げたSNS「Threads」の欧州でも提供を開始したと発表した。MetaはEUが来年施行するとみられる「DMA」で「ゲートキーパー」の1社とされている。
米Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは12月14日(現地時間)、同社のSNS「Threads」を欧州でも提供を開始すると自身のThreadsアカウントでポストした。
Metaは7月に米国でThreadsを立ち上げ、現在は日本を含む広い地域で利用可能だが、欧州連合(EU)加盟地域と英国では提供していなかった(中国、ロシア、イランはブロックしている)。
EUは昨年7月に「Digital Markets Act(DMA:デジタル市場法)」を可決した。DMAは、デジタル市場で「ゲートキーパー」として機能するプラットフォームに、より公正なビジネス環境とより多くのサービスを消費者に提供することを求めるものだ。欧州委員会は今年9月、Metaをゲートキーパーと指定した。
MetaはDMAについて直接言及はしていないが、InstagramとThreadsのトップであるアダム・モッセリ氏は7月、米The Vergeによるインタビューで、欧州でのThreads提供が遅れていることの原因を「来年施行される予定の法律(DMAのこと)を順守するための複雑さ」にあると語った。
ThreadsはInstagramアカウントでサインアップする必要がある。これはゲートキーパーに求められる「自社サービスをサードパーティより優遇しない」という要件に反する可能性がある。
Metaは11月、Threadsの投稿をInstagramとFacebookにも表示する機能をオプトアウトできるようにし、ThreadsのプロフィールをInstagramアカウントを巻き込まずに削除できるようにした。いずれもゲートキーパー要件を順守するための取り組みとみられる。
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