米SECのXアカウントで不正ログイン ビットコインETFを承認したとする偽の発表が投稿される
米証券取引委員会(SEC)のXアカウントに何者かが不正にアクセスし、暗号資産(仮想通貨)ビットコインの現物に連動する上場投資信託(ETF)を承認したとの偽メッセージが投稿された。20分後に削除され、当局と協力して調査するとしている。
米証券取引委員会(SEC)は1月9日(現地時間)、暗号資産(仮想通貨)ビットコインの現物に連動する上場投資信託(ETF)をまだ承認していないと表明し、短文投稿サイトX(旧Twitter)のアカウントに何者かが不正にアクセスして承認したとの偽メッセージを書き込んだと指摘した。
米東部時間午後4時過ぎに一時的に不正アクセスを受けたが遮断したとし、これに関して当局と協力して調査すると説明した。
XはSECのアカウントが不正にアクセスされたことを確認し、何者かが第三者を通じて同アカウントに関連する電話番号をコントロールしたことが原因だと説明した。
不正アクセスがあった時点でSECが2段階認証を有効にしていなかったとも指摘し、初期調査によるとXのシステムへの侵入によって起きたものではなかったとした。
Xへの不正投稿では、SEC登録の証券取引所全てを対象にビットコインETFを承認したとし、ゲンスラーSEC委員長の偽コメントも掲載していた。
SECは10日に複数の発行体が申請しているビットコイン現物ETFを承認すると見込まれていた。
発行体2社は今回の不正アクセスが承認日程に影響を与えるかどうかは不明だと述べた。SECは10日にアーク・インベストメントと21シェアーズが共同で申請したビットコイン現物ETFについて決定を下す予定。
米東部時間午後4時11分までに、SECのXアカウントへの投稿は少なくとも100万ビューを獲得。それから20分もたたないうちにこの投稿は表示されなくなり、削除されたもようだ。
ビットコインの価格は偽の投稿で約4万8000ドルまで上昇し、数分後には4万5000ドルを割り込んで下落。SECがこの情報を削除・否定した後の直近では3.15%安の4万5513ドルとなった。
一部のアナリストは、承認見通しからここ数カ月で70%以上上昇していたため、ETF承認でビットコインが下落すると予想していた。
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