名機「ローライ35」がAFに対応? 「Rollei 35 AF」なる新作フィルムカメラが突如姿を現す
1967年に登場し、高級コンパクトフィルムカメラの走り的存在ともいえる「Rollei 35」に、まさかの新製品が2024年夏に出るという。その名は「Rollei 35 AF」。文字通りオートフォーカスに対応したコンパクトカメラのようだ。
1967年に登場し、高級コンパクトフィルムカメラの走り的存在ともいえる「Rollei 35」に、まさかの新製品が2024年夏に出るという。その名は「Rollei 35 AF」。文字通りオートフォーカスに対応したコンパクトカメラのようだ。
Rollei 35は、1967年に独ローライから登場したコンパクトカメラで、手のひらサイズながら、“鷹の目”と評されるほどシャープに写るTessarレンズがあしらわれている(より明るいSonnarモデルもある)のが特徴。その愛らしい見た目と高い描写性能からファンが多く、映画やアニメなどで見かけることも多い。
その一方で「精密なピント合わせができない」という弱点もある。ファインダーには距離計がなく、被写体との距離を「だいたいこれぐらいだろう」と目測で決めていく。つまり、ピントが合っているかを確認する術がないままシャッターを切るしかない。当時は、この手のいわゆる“素通しファインダー”を積んだコンパクトカメラは珍しくなく、絞ってパンフォーカスにするなど目測ならではの良さもあるのだが、より正確なピント合わせを望む声も少なくなかった。
半世紀も前のカメラの新モデルを開発したのは、本家ローライではなく香港のカメラメーカーであるMiNT。2009年に設立されたインスタントカメラなどを得意とするメーカーで、もともとはポラロイド「SX-70」などの修理を手掛けてきたという。同社はその修理実績を生かし、SX-70の設計を忠実に再現した「SLR670」や、世界初の二眼レフ型インスタントカメラ「InstantFlex TL70」などユニークなカメラを世に送り出している。
MiNTの公式サイトなどでRollei 35 AFに関するアナウンスは特にないものの、公式Instagramアカウントでは、Rollei 35 AFのティーザーサイトを紹介した記事やブログなどをストリーズで紹介している
公開されたティーザーサイトは、ほぼシルエットのRollei 35 AFの画像と「Coming soon - Summer 2024」との記載があるのみ。フィルムかデジタルかすら判別がつかないレベルなのだが、カメラのヒントをMiNTのサイトから探すことができる。というのも、同社はRollei 35 AFの開発状況を定期的に発信(もともとはMiNT 35mmという別名のプロジェクトだったようだ)しており、完成形の写真こそないが、プロトタイプ機の内部構造などを複数公開している。そこにはフィルムを押さえる圧板も見え、ほぼ間違いなくフィルムカメラであることが分かる。
開発には4年の歳月を費やしたという。肝心のAFだが、LiDARを使用すると明かしている。昔のコンパクトフィルムカメラにはパッシブ外光AFなどが使われていたが、今ではほぼ見かけなくなった。MiNTも「プロジェクトの初期段階で、私たちはAFモジュールをあちこち探しましたが、古いAFテクノロジーはすべて時代遅れで、もう入手できないことを知りました」と語っている。そこで同社は、現代のテクノロジーであるLiDARを使ったAFユニットの開発を決めた。精度は高いようで、投稿によると過去のどのAF方式よりも優れているとしている。
なお、Rollei 35 AFは正式名称で、ブランドを使用するにあたりローライから許諾を得ているという。価格は2023年11月の投稿によると650〜800ドルになるとしているが、詳細についてはまだわからない部分が多い。オリジナルは独Carl Zeissレンズを搭載(一部ローライ製)していたが、Rollei 35 AFがどういったレンズを採用するかは不明だ。この辺は夏の正式発表を待つ必要がありそうだ。
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