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横浜市の病院がUSBメモリ紛失 医師が私物にデータコピー、自宅に持ち出し パスワードロックの有無「不明確」
横浜市立みなと赤十字病院が、診療データ1092件が入ったUSBメモリを紛失したと発表した。医師が論文作成のため、院内システムから私物のUSBメモリにデータをコピー。院内や自宅で使ったところ、紛失したという。
横浜市立みなと赤十字病院は1月17日、診療データ1092件が入ったUSBメモリを紛失したと発表した。医師が論文作成のため、院内システムから私物のUSBメモリにデータをコピー。院内や自宅で使ったところ、紛失したという。
USBメモリに入っていたのは、2021年4月2日から23年9月7日までに循環器内科で「カテーテルアブレーション」(カテーテルで不整脈の原因となる箇所を焼き切る治療法)という治療をした患者1011人の氏名、年齢、性別、生年月日など。住所や電話番号は含まないという。USBメモリや中のファイルにパスワードロックをかけていたかは「不明確」(同院)としている。
医師がUSBメモリを使い始めたのは23年9月7日、最後に使ったのは12月1日だった。その後28日にUSBメモリが見つからないことに気付き、29日に上長に報告。年末年始にかけて捜索したが、発見できず、24年1月9日に上長と一緒に病院へ報告したという。同院は同日中に市に連絡。翌日10日には個人情報保護委員会に届け出た。16日には対象の患者におわびの連絡をした。
同院は今回の紛失を受け、私物の記録媒体を利用禁止に。業務上必要な場合は、パスワードロック機能付き記録媒体を病院が貸与することで再発防止を図る。学術領域で個人情報を利用する場合、個人を特定できない形にデータを加工するといった既存の院内規定も改めて職員に周知するという。
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