量子科学技術研の病院がUSBメモリ紛失 患者情報3300人分入り 使用したまま医師離席、戻った時には見当たらず
量子科学技術研究開発機構(QST)は、医療部門のQST病院で患者の個人情報を含むUSBメモリを紛失したと発表した。紛失したUSBメモリは患者約3300人分の氏名や臨床情報などを含んでいたという。
量子科学技術研究開発機構(QST)は10月18日、医療部門のQST病院で患者の個人情報を含むUSBメモリを紛失したと発表した。紛失したUSBメモリには患者約3300人分の氏名や臨床情報などが入っていたという。18日時点でUSBメモリは見つかっていない。関連情報の漏えいなどは確認していないとしている。
USBメモリに保存していた情報は、QST病院の患者3206人の氏名や病名、治療情報などの臨床情報。そのうち、生年月日が含まれていたのが188人、居住する市区が含まれていたのが509人としている。QST病院以外の患者最大105人分の氏名や臨床情報も含まれていたという。
紛失が発覚したのは9月30日。QST病院の医師が死亡報告書を作成するため、院内の端末にUSBメモリを接続した。資料作成後、外来診療のためUSBメモリを接続したまま離席。医師が戻ったときには、端末に接続していたUSBメモリがなくなっていたという。USBメモリと保存ファイルには暗号化などは施していなかった。
医師は10月6日までUSBメモリを探したが、見つからなかったことから院内の情報セキュリティ管理者に報告。USBメモリには死亡報告書以外の情報が含まれていると分かったため、院内で詳細な調査を行った後、14日に千葉北警察署に被害届を提出したという。
QST病院は、USBメモリに保存していた3311人の個人情報は「保存の必要のない情報であった」と説明。その情報を削除しておらず、暗号化などの措置もしていなかったことは、院内のセキュリティ対策基準に反するという。個人情報を含むUSBメモリを端末に接続したまま離席したことも問題であるとした。
対象の患者やその家族には順次、事実関係を説明する文書を送るという。個別相談窓口も設置し、相談も随時受け付ける。再発防止策として、情報セキュリティ教育・指導を徹底し、USBメモリの使用基準の見直しなどを進める。施錠管理の強化や監視カメラの増設などの対策も行うという。
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