AWSが美少年に? とあるユーザーコミュニティーから生まれた“擬人化スライド”がすごかった(1/2 ページ)
女性中心のAWSユーザーコミュニティー「クラウド女子会」を取材。その活動内容や、創設期の奇抜な取り組みを聞いた。
何も言わずこのスライドを見てほしい。
AWSのサービスを擬人化した美男子たち。艦船やら刀やらウマやらが擬人化する今なら珍しくないが、AWSユーザーならクスッと来るかもしれない。記者としては、眼鏡オールバックの“Amazon S3くん”がなかなかいい。一体彼らはどこからやってきた美男子なのか。詳細を調べるため、記者はAmazonの奥地に飛んだ!
嘘である。一連の美男子たちは、AWSのユーザーコミュニティー「JAWS-UG」の分科会「クラウド女子会」で生まれたものだ。クラウド女子会はその名の通り、クラウドに携わる女性によるコミュニティー。
果たしてどんな経緯で生まれて、どんな活動をしている集まりなのか。そしてあの美男子たちはどうして生まれたのか。密林に取材……ではなく、設立に携わったメンバーである小室文さんらに話を聞いたので、前後編で紹介する。
「女性が勉強会に参加しにくかった」 “女子会”発足の背景
クラウド女子会が発足したのは2010〜11年ごろ。ルーツは仮想サーバ「Amazon EC2」の勉強会で、AWS日本法人が女性向け勉強会を実施したことをきっかけに、システム開発事業者に勤める小室さんなど数人が立ち上げたという。当時はIT勉強会がはやっている一方で、女性が参加しにくい雰囲気があったと小室さん。そこで、女性だけの集まりがあれば人が来るのではないか、と考えたという。
「オープンソース界隈の勉強会が流行していたが、参加者50人くらいいて女性が1人だけ、というようなことが普通にあり、怖い状況だった。女性はやはり少なかった」
ただ、最初の集まりは勉強会ではなく、参加者同士で豚肉を食べる会だった。というのも、クラウド女子会に興味を持つ人たちには勉強以外にとある共通のニーズがあったと小室さん。
「当時はIT業界への女性の就職率が低かった。勉強会の女性参加率も同様だったので、必然的に女性同士の横のつながりを求める人が多かった。なので最初の集まりでは、豚肉を食べながらキャリアについて意見交換していた」
参加者募集や活動履歴はセミナー支援ツール「Doorkeeper」で管理。参加者も、イベントごとに50人規模で集まったという。もちろん勉強会も実施しており、例えば「Microsoft Azure」のユーザーコミュニティーと共同で、船を借りて交流会を兼ねた勉強会をしたこともあったとしている。
「クラウド同士はバチバチだったが、コミュニティー同士は仲良くしたほうがいいと考えた。当時のAzureユーザー会のリーダーにメッセージを送ったら、お互い嵐ファンだったことが分かり、一緒にやることになった」
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