たった8色で油彩のような表現も──人気画家YouTuberが監修した「アートクレヨン」の新しさ:分かりにくいけれど面白いモノたち(6/6 ページ)
ぺんてるの「アートクレヨン」は、“柴崎おじいちゃん”の愛称で親しまれる人気画家YouTuber・柴崎春通氏の監修で開発された、大人の画材だ。ぺんてるの開発担当者に詳しい話を聞いた。
「サイズは正直、児童用のパスと同じです。鉛筆みたいに長いと折れやすくなるし、ある程度、従来のオイルパステルやクレヨンの形状の範囲内からはみ出さない方がいいかなというところで、受け入れられやすいようにこのサイズにしました。量としては足りないかもとも思いましたし、四角柱にする案もあったんですが、ぺんてるで作っている四角のタイプの場合、円柱のものより一回り細くて、長さも短いんです。あと、完成させるまでのリードタイムがあまり取れないことや予算的な問題もあって、金型の検討まではできなかったんです。なので、今ある金型から選びました。これ、金型まで作るとなったら、金型作った段階でしめ切りが来るというスケジュールでしたから」
まあ、足りなければ買えば良いし、実際、油絵具と比べたら、油絵的な面白さも出せて、この価格なら高くはないのだ。実は、個人的には、油絵的に、透明色のクレヨンを作って、いわゆる「おつゆ描き」というか、下の色を見せながらの重ね塗りも可能になるのではないかと思っていたのだけど、考えてみれば、クレヨンやパステルの性質上、「乾いた上から塗る」ということができないわけで、透明色を作る意味はないことも分かった。
それにしても、かなり面白いというか新しい画材であることはよく分かったので、後は、色んなプロの画家に使ってもらいたいと思った。そこから、新しいスタイルが生まれるような気がするのだ。
また、手軽に着彩の絵を描きたいというとき、水などの用意もなしで、グラデーションやぼかし、重色による厚みまで表現できる画材があるというのは、絵を描くハードルを相当下げてくれる。使ってみるとアイデアが浮かぶような画材なので、まずは一箱、本気で描くなら複数箱、買ってみることをお勧めする。
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