Apple、欧州委員会のDMA勧告を受けEpicの開発者アカウントを復活 「大きな勝利」とスウィーニーCEO
Appleは、欧州委員会からのDMA勧告を受け、6日に削除したEpic Gamesのスウェーデンの開発者アカウントを復活させた。欧州委員会のブルトン委員は、DMAがすでに成果を示したと語った。
米Epic Gamesは3月8日(現地時間)、米Appleが欧州連合(EU)の欧州委員会に対し、Epicのスウェーデンにおける開発者アカウントを復活させると伝えたと発表した。これで、EU圏内でEpic Games Storeを立ち上げ、「フォートナイト」をiOSに復帰させる計画を進められるとしている。
Epic Gamesは6日、Appleに開発者アカウントを削除されたが、これはDMA(デジタル市場法)に違反する行為だと主張し、欧州委員会に申し立てると発表していた。
DMA(デジタル市場法)は7日に発効した。AppleはDMAで市場で大きなシェアを持ち、他社の参入を防いでいる「ゲートキーパー」の1社とされている。
欧州委員会のティエリー・ブルトン委員(域内市場担当)は自身のXアカウントで「Appleがわれわれの勧告に従い、Epicのアカウント削除を撤回すると決定したことに満足している。DMAの発効2日目から、すでに非常に具体的な成果を示している」と語った。
Appleは米9TO5Macなどのメディアに対し、「Epicとの話し合いの結果、Epicは当社のDMAポリシーを含むルールに従うと約束した。これを受け、Epicが開発者契約に再署名することを許可し、Apple Developer Programへの参加を認めた」という声明文を送った。
Epic Gamesのティム・スウィーニーCEOは自身のXアカウントで「欧州の法の支配、欧州委員会、世界中の開発者の発言の自由にとっての大きな勝利だ」と語った。
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