EU、デジタル市場法(DMA)発効 「iOSでフォートナイトをプレイできる」とベステアー副委員長
欧州連合(EU)は、デジタル市場法(DMA)を発効させた。欧州委員会が「ゲートキーパー」と指定した6社のコンプライアンスレポートが公開された。AppleによるEpicの開発者アカウント削除について欧州委員会が調査を開始したと報じられている。
欧州連合(EU)は3月7日(現地時間)、デジタル市場法(DMA)を発効させた。これにより、欧州委員会は、2023年9月にゲートキーパーとして指定した6社、米国のApple、Googleの親会社であるAlphabet、Meta、Amazon、Microsoft、および中国ByteDanceがDMAに違反した場合、措置を開始できるようになった。
DMAは、大手IT企業による反競争的行為を取り締まり、サービスの一部を他の競合他社に開放するよう強制することを目的としている。ゲートキーパーと競合するスウェーデンSpotifyや米Epic Gamesなどの企業が、ゲートキーパーの慣行によって損害を受けていると不満を訴えている。
EUは同日、ゲートキーパー6社が提出した「コンプライアンスレポート」(DMA順守のために実施した措置の報告書)を専用ページで公開した。欧州委員会はゲートキーパーに、これらの報告書を少なくとも年に1度更新することを義務付けている。
ゲートキーパーは、EU圏内での競争をより健全にするためにプラットフォームを調整する必要がある。
たとえば、自社のプラットフォームで競合他社よりも自社のサービスを優先していないことを確認する必要がある。
Googleは、Android端末のセットアップ時に検索エンジンとWebブラウアを選択できるようにするなど、複数の対策についてコンプライアンスレポートで説明している。
Metaは、「メッセンジャー」でユーザーが代替製品を使ってメッセージを送信できるように、サービスをサードパーティのメッセージング サービスと「相互運用可能」にするとしている。
Appleは、iPhone上で代替アプリストアを許可するよう命じられた。EUは同社に対し、App Storeの慣行についての調査の結果、18億ユーロ超の制裁金を科した。
Appleが提出したコンプライアンスレポートに対しては、SpotifyやEpic Gamesが不満を表明している。Epic Gamesは6日、AppleがEpic Gamesの欧州での開発者アカウントを削除することで、独自アプリストア立ち上げを阻止し、DMAに違反していると主張した。
米Bloombergによると、欧州委員会はAppleに対し、Epic Gamesの開発者アカウントを削除する決定について「さらなる説明」を求めたという。
DMAを担当するマルグレーテ・ベステアー執行副委員長は自身のXアカウントで、DMAの発効により「iOS上でフォートナイトをプレイできるようになる」とポストした。
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